2002.08.16 by 牛
2002.10.27 追加情報
2003.06.19 追加情報2

■恩賜の新鋭艦艇群に、涙の海ゆかば。

平成14年6月、東京にお住まいのSASANABAさんという球磨焼酎ファンの方が横須賀を実際に踏破されて、『海軍カレー』の実態を詳細にレポートされたのは『鍋から甦った帝国海軍』でお知らせした。

7月初頭、そのSASANABAさんから横須賀發の軍関連飲食物、つまり『ミリタリアン・フード』の新艦船がここ筑前にもたらされた。食事機密であるミリタリアン・フードを持ち出し、しかも身命を賭して筑前まで極秘裏に搬送いただいたSASANABAさんに感謝を申し上げると共に、その戦況報告を取りまとめるのに手間取ってしまったことを深く謝したい(重営倉入りじゃて)。

まずご寄贈いただいたのは、SASANABAさんが先のレポートで触れられている『海軍さんの珈琲』である。重複申告となるが、まず内容について報告させていただく。

■海軍さんの珈琲
●建造工廠/(株)昴珈琲店 広島県呉市
●建造資材/コーヒー豆(資材はニューギニア、インドネシアなど南方から輸入)
●工  法/豆を破砕後、真空包装
●基準排水量/300g×1

※特記事項:呉軍港伝来の海軍コーヒーを探索し、発見。遂に作り上げた完成品。

さて、ハッチを開けたところで驚いた! この『海軍さんの珈琲』は、空母であった。まさに幻と消えた超弩級空母『信濃』もかくや、搭載伝単がこれでもかと甲板より上昇を開始したのである。『何かを語りかけてくる珈琲・・・』という惹句の意気や良し!

大東亜戦争敗戦記念日の当日に仰ぎ見るその伝単、大海原を征く在りし日の連合艦隊と超弩級戦艦『大和』の勇姿のシルエットが目にしみるのだ。♪海ぃ〜ゆぅかば〜。

さて、肝心のお味だが、拙宅に備えられた真空ポンプ付プラステイツク製乾珈琲豆渠が満杯のため、未だ公試運転が為されていない(T_T)。

そして御寄贈いただいた次ぎは、『海軍カレー』連合艦隊の一翼を担う新鋭艦である。
■よこすか海軍カレー
●建造工廠/(株)ヤチヨ 神奈川県横須賀市
●建造資材/玉葱、馬鈴薯、人参、リンゴピューレ、牛肉、ビーフエキス、全脂粉乳、食用油脂、小麦粉、砂糖、カレー粉、肉エキス、マンゴチャツネ、トマトケチャップ、ガーリック、酵母エキス、カラメル色素、香辛料、調味料
●工  法/機密性容器に密封し、加圧加熱殺菌
●基準排水量/200g×1

※特記事項:明治四十一年発行の『海軍割烹術参考書』を元に復元。さらに改良を加えて食べやすく復元。

これまでの超弩級海軍カレーと比べて、まず一船腹しか持たないところが大きな違いである。また排水量も姉妹艦の210gと180gの中間を行く規模で、建造費にしても安価な部分はまさにポケット戦艦か。

姉妹艦同様に横須賀海軍カレーのマークが右上に燦然とひるがえっているのが美しい。というわけで、実際のお味である。

筑前西部にて公試運転中のヤチヨ工廠製『よこすか海軍カレー』
辛さについては調味商事工廠製ほどの咆吼は無いが、コクはしっかりとあり、ややマイルドな味わいで食べやすい。若いときは激辛を食いまくっていたわてであるが、いまは辛くはあっても落ち着きのある味が合うようになったため、ちょうどピッタリである(ま、いわゆる老兵化)。

■いま筑前周辺各地で、横須賀ミリタリアン・フードが進撃中!

ところで、現在筑前や周辺の県でも、横須賀のミリタリアン・フードが店頭に進出し始めている。まさに鍋から甦って量販店店頭を進撃し、消費者の目と口を砲撃しているのだ。

下記は最も筑前(および他地域でもそうであろう)で量販店の冷蔵ケースに接岸して砲撃を繰り返している、ニチロ工廠製『よこすか海軍ドライカレー』である。

■よこすか海軍ドライカレー
●建造工廠/(株)ニチロ 東京都千代田区
●建造資材/米、グリーンピース、玉葱、馬鈴薯、人参、にんにく、ショートニング、牛肉、マーガリン、食塩、豚脂、カレー粉、小麦粉、トマトペースト、チキンブイヨン、りんご、チャツネ、トマトケチャップ、大豆油、香辛料、砂糖、しょうゆ、エキス(ポーク、かに)、デキストリン、調味料、環状オリゴ糖、着色料
●工  法/建造後、冷凍保存
●基準排水量/450g×1
この『よこすか海軍ドライカレー』は、筑前市内のほとんどの量販店でその勇姿を見かけることができるほどポピュラーな存在である。

これを筑前の極大衆的超市場『マルキョウ』で初めて見かけたとき、買い物カゴを提げたおばさんやおいちゃんたちがうざうざと行き来する中で、わては思わず宮城遙拝しそうになった。まじに驚き、かつ嬉しかったのだ。

「嗚呼、ここまで進出してくれたか! それなら頼む! さらにレイテ湾に突入して敵上陸部隊を粉砕してくれ!」

あの大東亜戦争後半の分水嶺とも言うべき痛恨のレイテ湾目前の転進を想ひ、気持ちは高まった。が、わてが出来ることと言えば、家に帰って袋を開けて皿に移し「チン!」を待つことだけであった。ん〜〜〜ん、よかカレーの香り(~Q~;)

と、ところが!

さらに、横須賀ミリタリアン・フードの熱さを感じさせてくれるアイテムが、筑前で発見された!『ペリーシチュー』である。

■ペリーシチュー
●建造工廠/(有)ヤチヨ商事 神奈川都横須賀市
●建造資材/玉葱、人参、馬鈴薯、牛肉、トマトピューレ、マッシュルーム、ビール、ブイヨン、食塩、小麦粉、食用油脂、粉末状植物性蛋白、トレハ糖、ウィスキー、フォンドボー、コンソメ、香辛料、調味料
●工  法/機密性容器に密封し、加圧加熱殺菌
●基準排水量/250g×1
箱に曰く“開国の味”だ! 素晴らしいじょ、このキッチュ(この場合誉め言葉)。まさに開国以来、世界大勢の最前線にあった横須賀という街の歴史を感じさせてくれる。

これをミリタリアン・フードとすることにしたのは、箱にペリー来航時に記念品としてシチュー鍋が贈呈された故事が記されており、米国海軍において『海軍カレー』と同様のポジションを有していたとの判断である。

さて、砲艦外交の尖兵としてやってきたペリーの威厳ある肖像画をあしらった外箱ではあるが、シチューを納めた内袋も相当に注目のデザインである。

線画のペリー肖像に添えて、「このペリー像を見るだけでも、日本人にとってとても恐い印象だったことがうかがえる」とあるが、まぁ、それだったら最初から恐くないかわいいキャラクターにしたほうが良かったのかもと思ったりもする。

なんか、シチューが喉を通りそうにないよなぁ〜、この顔見てると(爆)。とはいえ、中身はボリューム感もあってなかなかの出来なのだ!

さて、このシチューは近所のプロ向け食材店にて98円で安売り遊弋中を捕獲、艦籍を移したもの。意外や意外、身近なところに眠っていたとは・・・。

◇    ◇    ◇

さらに前稿『鍋から・・・』でご紹介した調味商事工廠製の『海軍さんのカレー』は、ぬぅあんと佐賀県は唐津市にある鮮魚専門販売センターの店頭にあったのを電探で発見した。横須賀海軍カレー連合艦隊司令部が、分遣隊に筑前や肥前までの進出を命令していたことに、改めて驚愕した。

逆に言えば、それだけミリタリアン・フードの街としての横須賀が、いま熱いのであろう。横須賀ミリタリアン・フードのファンとしては、海軍カレー連合艦隊の所属艦がどしどしと博多湾に「寄港」して欲しいものである。

■追加情報

つい最近のことであるが、ミリタリアン・フード艦隊に新たな精鋭が参加したことが判明した。それが下記の2つの艦艇である。「よこすか海軍カレー」の人気が牽引車となって、さらなる“軍備増強”のムードが高まって来たのは、我らミリタリアン・フードの愛好家としては歓迎すべき事である。

■よこすか海軍ドライカレー(パック)
●建造工廠/(株)ニチロ 東京都千代田区
●建造資材/うるち米、野菜(にんじん、じゃがいも、たまねぎ、にんいく、しょうが)、トマトケチャップ、牛肉、植物油脂(大豆油、なたね油、パーム油)、砂糖、食塩、ウスターソース、チャツネ、カレー粉、チキンコンソメ、香辛料、ポークブイヨン、小麦粉、バター、ソルビット、調味料(アミノ酸など)、香料、カロチノイド色素、乳化剤
●工  法/気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌
●基準排水量/160g×1
■海軍さんのデザートようかん
●建造工廠/(有)伊達本舗 長崎県西彼杵郡
●建造資材/紫イモ、砂糖、寒天、水飴
●工  法/機密のため不明(爆)
●基準排水量/320g×1
海軍割烹書からの復元・・・という惹句に、愛好家の心をくすぐられてしまうミリタリアン・フードではあるが、2番手の『海軍さんのデザートようかん』についてはその辺りが明かではない。

また、この品は佐世保の海軍ゆかりの施設で極秘裏に入手したもので、横須賀とは直接的関係は無い。しかしながら「海軍さんの・・・」という“定冠詞”にグッと来てしまうのは致し方あるまひ。

■追加情報2

今年03年6月のことだが、近所にあるスーパー「ダイエー」に、またまた横須賀鎮守府を出航した新鋭艦艇が接岸しているを発見した。それは、箱書きによると横須賀の老舗割烹である『魚藍亭』さんというお店の冠が付いた、最近進水したと思しき『元祖よこすか海軍カレー』である。

当諜報部が察知した情報では、市からの依頼でこの魚藍亭の女将さんが、割烹書に忠実に海軍カレーを再現。市の認定1号店の称号を取得したという。

ま、まさに元祖!! 「海軍カレー」連合艦隊の旗艦、堂々の博多湾入港である。これが、海から甦った最初の味だったのか・・・。

■魚藍亭 元祖よこすか海軍カレー
●建造工廠/株式会社ヤチヨ 神奈川県横須賀市日の出町
●建造資材/野菜(たまねぎ、にんじん、じゃがいも)、牛肉、牛脂、清酒、ブイヨン、香辛料、ビーフエキス、小麦粉、酵母エキス、野菜エキス、マンゴチャツネ、食塩、植物油脂(なたね油、パーム油)、砂糖、しょうゆ、ぶどう糖、乳糖、調味料(アミノ酸など)、クチナシ色素、(その他鶏肉、大豆、ゼラチン由来原材料を含む)
●工  法/気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌
●基準排水量/200g×1
さて、堂々たる姿を現した旗艦カレーだが、“艦長”である女将さんのお姿も箱裏書きにしっかりと掲載されていた。大河原晶子艦長、その人である。

ああ〜〜〜〜、あなただったのですか。数年前、この筑前の田舎牛を「よこすか海軍カレー」の世界にどっぷりと肩まで浸からせるきっかけを作った方は・・・。

筑前の民よ、いざ「ダイエー」へ急げ!


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