2003.08.18 by 猛牛

■宮崎・鵜戸神宮前で降臨された、昌子様ゆかりの品(-人-)

今回のお題は、昌子様である。古澤昌子様、ぬぅあんである。

事の発端は、先月21日、宮崎県は日南方面の蔵元さんにお邪魔した時のこと。帰途、大日向焼酎共栄圏構想の進展から現在では“絶対てげ防圏”という攻撃的守りの体勢に移行したとも伝えられる石原けんじ大佐、そして新たな宮崎焼酎の伝道美女・マツユカ女史とともに、鵜戸神宮へと参拝したんである。

神宮へと向かう海岸ベタの参道を大佐運転の車で走行中、前方左手10時方向に1軒の酒屋さんを見つけた。

帰り道、そこはかとなくデッドストックの匂ひが漂ってきたその酒屋さんに立ち寄り、見つけた『ひえつき』の一升瓶をけんじ大佐が買いとりコレクションに加えた経緯については先のコンテンツで触れた。

◇   ◇   ◇

しかし、そのエピソードにはまだ続きがあった。

店内の柱にフックが打ち付けられて、瓶を入れて配達に使うのであらふ、手提げ袋が掛けられていた。その中にさらに五つくらいの袋が押し込められていたのだった。

何があるんやろう?と中を見ると、おっ!(@_@;)

猛牛「これぇ、古澤さんのところのですよねぇ?」
女将さん「はい、そうですよぉ〜」
猛牛「あのぉ、これぇ、今も使ってらっしゃるとですか?」
女将さん「いぇ、もう使ってはおらんですよぉ〜」
猛牛「そのぉ・・・よかったら、貰えんですかぁ(^_^;)」
女将さん「ああ、いいですよぉ〜。じゃぁ、キレイなのを・・・」

『八重桜』の袋は何枚か入っていた。それだけこの酒屋さんとの関係が深かったということだらふ。掛かっている袋の中から洗濯した綺麗なものを探し出そうとされた女将さんのご厚意は、痛いほどありがたかった。

・・・のだが、いただけるなら使い古されている方で良かったし、わてはそれこそ使い込まれて汚れにまみれた『八重桜』袋で良かったのである。その方が、日南における古澤醸造さんと地元との時の流れや生活との密着度を感じさせるというか。しかし、洗濯されていた方をご提供下さった。

猛牛「本当にすいません。ありがとうございます。わては袋を頂戴しますが、商品はこちらのけんじ大佐が買いますから」

わてはお茶を買って店を後にした(爆)。ま、テゲテゲってことでσ(*^^*)

■ディテールに見る、昌子様と地元との深い密着度。

さて。この袋だが、相当の年代物、長く使い込まれていると見た。洗濯していただいたものなのだが、それでも、ご覧の通りの状態である。

持ち手の部分。相当に使い込まれて黒ずんでいる。店の名前がマジックで書き込まれているのでも解る通り、近隣への配達用に使われたものだろう。接合部の黄色いパッチの部分が妙に目立つ。鋲は錆びて風化し、黒い塗装もほとんどが剥がれ落ちていた。

同じ宮崎は渡邊酒造場さんの『萬年』の袋については、購入者が袋を下げて蔵まで買いに来ていたという渡邊幸一朗専務の談話があった。この酒屋さんの場合でも顧客に袋が贈呈されて購入に来ていたことがあったかもしれない。

というわけで、袋に書き込まれた店名に注目した。片方に「○○酒店」、もう一方にカタカナで「○○」とあり、ご丁寧なことにマチの部分にも片方に「○○酒店」と書かれていた。なぜそこまで書かねばならなかったのか? という疑問がわてに芽生えた。

仮説1)競合店もこの袋を所有しており、配達先などで他店の分と取り違いされないため
仮説2)顧客も所有していたため、店からの配達時に顧客分と取り違いされないため
仮説3)店名をたくさん露出させて、恒常的刷り込み効果を狙ったため
仮説4)単に店の大将が私的所有意識が旺盛だったため

さて、真相はどれだろう?

というわけで、次は底部。当然の事ながら、汚れは最も激しい。

しかし、わてはここにこそ、昌子様が鎮座あらせられる古澤醸造と地元との歴史性をビンビンに感じるのだ。何度この袋に『八重桜』が詰められて、到着をいまか今かと待つ日南の飲兵衛諸兄のもとに運ばれたのであらふか・・・。嗚呼ぁ〜、昌子様!

たまには甲類焼酎なぞも運ばれたやもしれぬが、ま、堅いことは抜き。

♪お魚くわえた野良猫
 追っかけて
 裸足で駆けて行く
 愉快なサザエさん
魚を焼いていた練炭と七輪は横町から消え、いまは逆転屈折した炭火と囲炉裏。野良猫はゴミ袋を漁って美食にありつき、裸足で駆ければ怪訝な顔をされるご時世となった。酒の現場も、汚れた手提げ袋からその場限りのポリ袋に取って代わられた。

こういう袋で商品のやりとりをする生活様式は、もうすでに滅び去った古俗と言い切って過言ではない状態であらふ。だからこそ、底に染みついた汚れのひとつひとつから、過ぎ去った酒類流通の原郷とあの昌子様の面影が、わての脳裏に浮かんで迫ってくるのだっ。

原郷と昌子様、両者に直接的な関係は無いが、ま、そーゆーご都合主義的結末ってことで本稿の〆としよふ。

昌子さま ああ昌子さま 昌子さま


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