2001.1.1
平成十三年度お題『平成十二年』
選歌

筑前國 猛牛
 これやこの気負って飲みしタダ酒の酔い醒めやらず息臭いぬる

 大衆の飲み気を冷ますプレミアム我アホらしく一酔もせず

 店先に伊蔵を見かけ駆け寄れば無酔極まる値書き下がりをり

 南蛮の酒と見まごう色つきは市場拡大と人の問ふまで

 某ディスにうち出てみればうろたえの酎の高値に酔いは醒めつつ

 南国に負けてならじと筑前の蔵元決起す焼酎2000

 庶民には嬉しきことなし百年のいま孤独すら手に出来もせず

 いも麹出す酒飲めばさすがなり国分の山に出し芋かも

 幻に見ゆると思えば現れて金子掠める入手困難

 防人も呆れし値付けに怒りたつ駄文したためブーム去るを待つ

 体臭を嫌いて染まる減圧酒清潔好きも腹の中まで

 幻の入手困難の品薄のカバカバし世に一般焼酎飲む

 垂乳根の母が残せしくろうまに我酔い痴しれて落馬するかな

 秋すぎて冬来にけらし品切れの財布干すてふ青天価格

 雲の海に沈み佇む新屋かな今亡き庵の惹句見つめる

 酒売りが酒買いに来て酒売らず酒売り帰すこばやしの声(敬称略)

 久方に酒席に出し冬の日に銭心もとなく足の出るらん

 一升瓶美しき衣纏いをりよくよく見れば欲の皮なり

 この世をば我が世とぞ思ふ杯のと思ふ貴顕のプレミアムかな

 武具馬具屋今日は宝に惨鳥ぃ外圧様とそっと言ひ

 桶買いに勤しむ蔵に蔵が建ち小さき蔵に蔵建たぬとは

 焼酎と聞けばおぢんと嗤う娘(こ)は中味も知らず酎ハイ飲みにけり

 クリアやピュアと宣う甲類のアイデンティティの無きぞ哀しき

 伊佐錦がぶ飲みにして警固神社牛ひたすらに柏手を打つ


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