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心情的美の対象物としての粗品タオル 明治期に英国より導入されたタオルは、綿製の柔らかな質感が好評を博して、本邦にも急速に普及した。もちろん高級品も存在したが、一般庶民にとって日常的に活用されていたのは、酒販店や米穀店などから進呈された「粗品タオル」であった。 「粗品タオル」が担うオブジェとしての意味は何か? たとえば酒販店において、購買主体者が酒類を購入し、販売主体者との間に価値の交換というパフォーマンスが発生した場合、その頻度が高まったり購入量が一時的急増を示した場合、販売主体者に「お得意様」という高次の心情が発生する(ことが多々ある)。 主体者間に新たな意味性が生じた時、「ほんの気持ちですばってん」という情念をオブジェ化し、主体者相互の精神的疎通を媒介する役割を持ったものが、パフォーマンスとして手渡しされる「粗品タオル」だったと言えよう。 「粗品タオル」とは焼酎のリアリズムのリネン的別形態である。 風呂のお供、雪隠の手拭き、卓袱台の布巾、擦り切れれば雑巾・・・。使用の初期から終末までの状態の変化はもちろん、外装、素材感、意匠に漂うcheapな感覚にこそ、大衆の焼酎(および酒類)愛飲生活をリネンという形態を通じてレアルに体現している逸品と信じて止まない。 「粗品タオル」は、装飾主義的、または呪物崇拝的タオルの利用が大勢を占める昨今の家庭環境において、相対的にその地位の低下が顕著であろう。かつ携帯ストラップなどの新たなオブジェの台頭によってその存在感がさらに希薄化している状況でもある。 しかし、ここに「粗品タオル」の収集、展示することによって、リネンという形態によって表現された焼酎リアリズムを視覚的に体感していただき、多少なりともその存在意義に気づいていただけるならば、幸甚である。 (なお展示については、「梱包日用芸術」としての観点から基本的に包装のままの展示とした。つまり貧乏症) |
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