2001.08.07 by 車牛次郎

 さて! いいかね、飲兵衛のお客さん。店だったら定価販売の良心的こだわり酒販店の頑固おやじから下さい頂戴で頂きますと五千が二千、一万が二千、下手すりゃ千五百八十円しかしない品物だが、今日はそんな値で売るとは言えない!

 いいかい? ハイ! 並んだ数字がまず一つ。物の始まりが一ならば焼酎ブームの始まりが豊後の国の『いいちこ』、プレミアム焼酎の始まりが『伊佐美』、万円焼酎の始まりが『森伊蔵』なら、助平の始まりがこの猛牛っての。 ね! 笑っちゃいけないよ、助平って丸見えだから目つきみりゃ、ね。

続いた数字が二だ、『二階堂』。こうやってアゲちゃおう。飲兵衛さん寄ってらっしゃいは薩摩の『魔王』が通る東海道、プレミアム結構大型ディス、憎まれ酒屋が目立たないように、飲兵衛教育資料の一端としておアゲしましょう、もう一本。ほら、どう?

三で似せたが『男森三』、伊蔵ばかりが焼酎じゃないよ。ね! 筑前は焼酎寺の門前でかのいぢ汚いな猛牛が、三日三晩飲みまくって三日酔いで麹の臭いをさせたのが三十三。とかく三という数字はあやが悪い。 散々牛歩で引け目が無いという厚顔無恥。ね! どう?

アガった数字が四つ、ほら四本目。クロート筋に人気爆発、豊後の蔵元は四ッ谷酒造だ。粋な姐ちゃん立ち飲み角打ち。島で咲いたは『百合』の花、四角四面は三和の娘、色は白いが味がない。

ね、どう? 一度アガれば二度アガる三度アガれば四度アガる、百年も孤独で、誰を待つやら来る来ると。 五本五本とブローカーさんが、代理で買って、ねぇあなた、仕入れてみねぇかとファクス攻撃、『いまが売り時!』ときやがった。続いた数字が六つ、六だ!

昔、武士の位を禄という。高橋さんが“純米焼酎”一本で七万石。SASANABA師を怒らせちゃいけない。ロクでもない賢い焼酎餓鬼が出来ちゃあいけないと言うんで教育資料の一端としておアゲしましょう、また一本。

どう! 八本目。八つ、焼酎界の八っあんと言えば麦焼酎の『兼八』、麦麦の香ばしさ、販売店遠くてもわしゃいとやせぬ。浪花混和の麦六よりも、あたしゃ『兼八』の傍が良い、あなた『百年』でもわしゃ九十『九耀』、 割増業者のタカるだけって云うやつ。どう! ねぇ、ほら!

これで買い手が無かったらあたし、吉良上野介じゃないけど腹切らせるつもり。ダメか? え!

チキショウ! 全くねぇ、今日はしょうがねぇ、“貧乏人”の行列だ。まぁいいよ、いいっていいって、帰んなさい帰んなさい、 はい! ねぇ。

みんないなくなっちゃったね。どう、おいちゃん、えぇ? じっと見てっけど、買って帰って割り水して千代香で飲みたいんだろうこれ? いくら見てたってダメ。いくら見てたって買わなきゃ。ね、そうでしょ? ねぇ! いくら探しても店にゃプレミアム焼酎は出てこないっていうじゃないの。どう?

たいしたもんだよディス屋の品揃え、見上げたもんだよプレミアムの値札って。ねぇ! はい!

お、また来た。 はい、どうです?  お高くアゲちゃうよ。なぜこんなにお高い品物かと言うと、ねぇ、本来ならばこれ値段が決まってる品物ですよアンタ。なんで正規価格で売ることが出来ないかというと、はっきり言っちゃおう。今まで言わなかったんだ。

 わたくしが知っている東京は花の都、葛西はこばやしという堅気な酒屋さんが、蔵元さんとの信頼関係で正価で入った品物!  しかしだ。品数が少ないが、欲しい欲しいって人が多いからわたくしがトーシロ面して購入して、皆様に転売してる。だからこんなに高い。本来ならば販売店選定! 賢い消費者ご指定! 大変な品物だこれ。 これだけ高く売っちゃおう、ね!

 ラベルなんか見てごらんなさいよ、正規販売店の印鑑、どーんと押してある、ね。最もわかり易いよ、この印鑑見てごらん。あたしだって読める。

どう? いちいち遠方に行って買えないんだから、ね、買って頂戴よ。どう?

 ねぇ。・・・さあ、 はいはい、ありがとうございます。じゃ、これ持ってってね。はい、どうも有難うございました。


上記内容はフィクションであり、口上の内容と実在の商品、団体、個人とは一切関係はありません。単なる語呂合わせですのでご了解下さい。

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