2000.12.20 by 猛牛

■襷掛けパッケージデザインの氾濫?

最近、芋焼酎を6本ほど買いだめしたんやけんども、ボトルを見ていたら、ふと思ったことがあったとですたいねぇ。

それが何かちゅーたら、襷なんですばい、「たすき」。

最近えれぇ多いでしょ、店頭でも襷掛けした一升瓶が。たとえば・・・

こんな感じですわぁ。一升瓶の上部に、右から左に襷をかけているのが多いなぁと思ったとです。まるで“本格焼酎総選挙”で立候補者が総出で立会演説会やっているような、感じですばいねぇ。

この襷掛け傾向は、“カメ仕込み”で造られたものや“限定品”と銘打つ焼酎に多いパターンですにゃ。確かに「限定品 カメ仕込み」やら「かめ壷仕込み 限定古酒7年」ぬぅあんて、売り言葉の字数が増えれば、文字のレイアウトもヨコ位置よりもタテの方がやり易いやろうし、読みやすさもある。

まあ、デザイン的にというか表象的に解釈すりゃ、そういうところになるとでしょうけど。

でもわてが、最初頭に浮かんだのが「愛国婦人会」や「国防婦人会」ですたい(爆)

■「襷」に見る、挙社一致・大勢翼賛的商品化の思想。

なぜわてが、かつて明治末期から昭和20年の敗戦まで、国家の戦争を銃後で支え続けた奥様組織「愛国婦人会」や「国防婦人会」を連想したかというと、高度国防国家体制ならぬ“高度付加価値焼酎商品化体制”に即応する大勢翼賛的な商品という臭いがしてきたとですばい(^_^;)。

もちろん、これは味そのものとは別ですばい。あくまでもボトルの話。なぜデザインまでそんなに“右に倣え”するんやろうか、と疑問に思ったとですなぁ。

モンペに割烹着、襷といえば、先の愛国婦人会の制服、つまりシンボルなんですけんども、本格焼酎、特に芋焼酎のかめ仕込み・限定品系についてはこの襷がシンボル化しているようですばい。単に能書きの多さに襷掛けレイアウトにしたというより、“ねぇねぇ、お客さん、ワタシは希少品種ですよ”という記号をラベル・デザインに織り込んだと思えるとです。

このラベルデザインを最初に始めたのはどの蔵元さんか現時点では不明ですけんども、多分それは成功したんでしょうにゃ。襷掛け=希少、こだわり、限定・・・という記号が成立したからこそ、我も我もと挙社一致的に右に倣えの商品化に走った風に見受けられるとです、襷掛け一升瓶の氾濫を見ていると。

つまりはプレミアム焼酎として認知される衣装(意匠)をしつらえることにより、その予備軍として市場に名乗りを上げたいというスケベ心が、そこはかとなく見えるわけですたい。

■大プレミアム戦争、その戦後はいかに?

現下続けられている本格焼酎の「大プレミアム戦争」。当然高額な割増金を払ってもそれを飲みたいというエンドユーザーがあってこそ戦いは成り立つわけであって、一方的に製販を責めるのも不公平な話ではありましょうぞ。

平成11年度の九州内における製造・流通・販売・料飲店での本格焼酎の受容を聞き取り調査したデータの中で、鹿児島県のある料飲店の店主さんは「お客様が求めるので、プレミアム系を置かざるを得ない。県外の人ほど求めたがる、中味は変わらないのに」と嘆息しておりましたにゃ。

そうそう、中味は変わらんとに。

襷掛けで聖戦完遂に奉仕している焼酎たちはともかく、それぞれの思惑の中でプレミアムなんぞに縁のない一般貧窮消費者(自爆)が最大の戦争被害者って感も無きにしもあらず。

まぁ、“本格焼酎破れて、山河無し”なんてことにならないよう祈っておりまする。


■補注
上記の“誇大妄想的(爆)”内容についてある方から情報をいただいたので掲載させていただきます。ありがとうございました(^_^)v

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あと、襷が流行った理由は瓶詰め包装の時ラベル貼るのが楽であると言うのとコピーをカッターで切るのが楽だと言う2点だと思います(笑)

量はかなかった頃の焼酎屋さんのラベル(特に限定品等)はコピーや卓上の印刷機で印刷されてるものなどが多く、(理由は印刷屋に少量頼むとすごく高かったから(汗))カッターなどで切っていたと想像されます。

そしてラベラーもないので手貼りが主であった考えられます。作業効率の面から胴ラベルに寄り添う形で印刷した肩ラベルが襷状になったのだと思います。貼りやすいですし切りやすいです^^。機械貼りの肩ラベルのように山形になっていたら切るのが大変ですもんね^^;

現在、過去少量しか出荷していなかった商品が幻となり市場に出てきて、その商品が襷だったので襷が高級感を持ったのではないか?と個人的に考えております(笑)

私のところも限定品やオリジナルなどマックでデザインして印刷するラベルの肩ラベルはすべて襷になっております。作業効率の面からです^^。


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