2002.08.06 by けんじ  情報追加 2003.04.08 by 猛牛

銘柄
度数
原料
原産
ヤマフル
25度
清酒粕
佐賀県唐津市神田3272-1
鳴滝酒造株式会社
製品的特徴
捕獲者
評者
レッドブック度
10年以上古酒+4年物
猛牛
けんじ
消滅危惧類
■評者雑感

●当該銘柄について
豊臣秀吉の朝鮮出兵の拠点、名護屋城跡の近くにあるので、「太閤」。そして太閤秀吉がたてた桃山文化の粋といえば「聚楽第」。この二つの言葉を組み合わせて酒名『聚楽太閤』となったらしい。宝永2年から続く伝統の蔵である。

最近は、全国新酒鑑評会の金賞を連続受賞したことからも分かるように大吟醸酒で名高い蔵である。その香り高い吟醸は、唐津名物の「寄せ豆腐」の淡白な味に良く合いそうである(適当)

また蔵のある唐津、また周辺山間部では「盆焼酎」という風習があり、お盆に粕取焼酎を飲む風習があったという。また周辺部には炭鉱が多く、当然キツイ労働の癒しの酒としても使われていたであろう。

さて、その「盆焼酎」等の伝統がある地域の吟醸蔵が放つ、粕取焼酎『ヤマフル』は如何に・・・?

●ボトルデザイン:
見てみい、このツラ、このラベル!・・・・・と、でもいいたくなるようなラベルの「男振り」である。力強い古の書に、均整をあたえる「山マーク」は佐賀県出身の偉人、故村田英雄の眉毛の如く・・・ともいえよう。

しかし、この重厚なマークの周りを飾るのは「ひょうたん」と「お花」。ちょこっとラブリー(爆)

ラベルの左側には「富貴繁榮 萬々歳」と、フトコロ具合の繁栄まで萬歳してしてくれる文言が・・・・・。有難う(嬉)

●香り:
香りを嗅ぐ、ブアアーーンと何故か「スプライト」の香りがした(一瞬)。その香りの次にはあの粕取りの“もみがら臭”が襲う。この臭いはクセになる。これに対抗しうる常習性を持つ臭いといえば、タクシーの排気ガスぐらいなものであろう。(自分だけ?)

●味わい:
香りがスプライトやら、籾殻やらインパクト十分であったが、至って味は大人しい。

“HE12/9”とあるように、瓶詰めから既に2年ばかりたってるためか、鹿児島の焼酎蔵で使われる技術用語だが、「ナツイ」(熟成味)という感じか。ロックで飲むとさらに抵抗なく胃の腑におちる。吟醸蔵らしい繊細な本格粕取りといえる。

●レッドブック度:
探検隊から粕取りについて蔵の方に問い合わせた所、丁寧なメールを頂いた。趣旨をかいつまむと、

1)10年程まえから粕取焼酎を造っていない。
2)その理由は粕の絶対的不足と、年間販売数量が極めて限られている事。
3)現行商品は10年程前の古酒を調製したもの。
4)現在製造を中止するかどうか迷っている。

というものであった。

2)の粕の不足は、粕取焼酎に意欲的に取り組んでいる『杜の蔵』さんでも聞いた。また後者の理由は粕取りユーザーの高齢化が大きな理由である。

唐津「盆焼酎」の伝統を引き継ぐ焼酎は、存亡の危機にあるようだ。

■『ヤマフル』、10数年ぶりに試験的に仕込みを再開。

Dr.けんじ氏のコラム掲載よりちょうど8カ月後の昨日、『ヤマフル』の蔵元である鳴滝酒造株式会社さんよりニュースが飛び込んできた。

『ヤマフル』の仕込みが、10数年ぶりに、試験的にではあるが再開されたのである。詳しい情報はまだ公開できない。しかし、消滅危惧類として「どうする?ヤマフル?(T_T)」と存続するか否かが注目されていた銘柄だけに、わてはとにかく「よかった!\(^0^)/」というのが正直な感想。

『ヤマフル』の再生と今後の広がり、そして「伝統文化としての正調粕取焼酎を大切に思うがゆえ」にと試験的仕込み再開をご決断された鳴滝酒造さんのさらなるご活躍を心より祈っております。

(2003.04.08 猛牛)

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