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■評者雑感
●当該銘柄について: 蔵は、雄大な耳納連山を南に見上げる一角にあった。福岡の穀倉地帯、緑豊かな筑後平野の田園風景が広がっていた。ひなびた小さな通りから横道に入ると、大きな煙突が立っていた。草が生い茂る川、それに掛かる古びた橋のすぐ隣りが敷地だった。 旧・丸山酒造さんの清酒の銘柄は『國の香』という。今回この稿を書くことを思い立って、ネットで検索してみた。googleでさえ3件しか引っかからない。その内のひとつは、さっきのわての稿だ。清酒蔵として、この蔵がどういう立場にあったか、解るような気がする。 事務所で専務とお会いしたときに、『ピーナツ焼酎V5』とともに購入したのがこれ。吟醸粕もろみ取りで蒸留は減圧。籾殻使用の“正調粕取焼酎”ではないが、専務のお人柄にも感じ入ったので、買って帰った。 悲しい事実を知ったのは、5月だったか。 2003年1月、同社は倒産。わてがお邪魔して4カ月後の出来事だった。蔵元ご家族の行方はいまだ杳として知れない、という。 ●ボトルデザイン: 同社はかつて正調粕取を製造していたが、あの時点ではすでに過去となっていた。とはいえ、この大きな「早苗饗」の押し出しが、背負ってきた歴史を滲ませる。 ●香り: ●味わい: ●レッドブック度: うむ。それよりもなによりも、良き父親として優しい眼差しで二人の子どもたちを見つめていた専務、そして、やんちゃで人なつっこくわてや家人に話しかけてくれた子どもたちの姿を思い出してしかたがない。 わてはその時の想い出として、この瓶をそっとしまい込んで置くことにしよう。 またひとつ、粕取の灯が消えた。 |
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