2002.08.18 by けんじ

銘柄
度数
原料
原産
粕製・天山
40度
酒粕
佐賀県小城町大字岩蔵1520
天山酒造株式会社
製品的特徴
捕獲者
評者
レッドブック度
2年貯蔵後出荷
猛牛
けんじ
消滅危惧類
■評者雑感

●当該銘柄について
佐賀県民のシンボル、名山「天山」。九州でも数少ない大規模な人工スキー場がある事でも有名である。

この秀峰天山のふもとにある明治8年創業の蔵「天山酒造」は、酸味が利き、太いコクを持った「男酒」を作っている事で知られている。

蔵の前を流れる祇園川はゲンジボタルの名所。その上流の清水川は名水百選にも指定されており、抜群の蔵環境である。

また酒つくりの千秋楽に行う「甑たおし」でも有名。蔵近くの清水神社まで、出来たばかりの新酒を振る舞いながら練り走るこの行事は、佐賀や福岡の新聞、テレビ局で毎年「季節もの」として報道される程。いわゆる地域の一大イベントである。

この山紫水明の里で作られる粕取焼酎は如何に?

●ボトルデザイン:
ひげ文字の勇ましい「天山」の横書き書体。その文字の横に「TRADE MARK」の文字。赤大杯の絵と共にレトロ感を加速させる効果を果たしている。

一言でいえば、オールドスタイルのラベルである。推測だが、相当歴史のあるデザインであると思われる。

この印象はここで取り上げている「古典的」正調粕取焼酎に全てに当てはまる。商品の出荷量は微々たるものであり、ユーザーも高齢のため、ラベルを変更する必要性が全くないのであろう。

そこが我々カストリ・マニアにとっては堪らない所である。カストリ全盛期の残香を少しでも嗅ぐ事が出来るのだから・・・。

●香り:
今さらだが、粕取焼酎の味わいを見極めるのは正直いって素人の私には難しい。

だが、この香りは分かりやすい。ガソリン系である(爆)
それは言いすぎであるが、封を切った直後、特徴的な香り(油分か?)が感じられた。が、よくよく嗅いでいくと、甘酒のような香りも沸いてきた。実に重層的な香りである。

●味わい:
生で飲んでみた、独特のヌメリ、強烈なアタック、唇への刺激。典型的、古典的なキックの強い粕取焼酎の味と思われる。

ロックにしても刺激が残る。この蔵の日本酒同様ハードな「男酒」である。
ヤワな奴は手を出すなって感じですか(爆)

●レッドブック度:
天山酒造さんにメールで問い合わせた所、丁寧なご返事を頂いた。少し抜き出してみたい。

1)佐賀でも粕取焼酎は衰退しているが、文化的な側面からも復興させたい。
2)佐賀は清酒圏なので、これという焼酎文化がない。佐賀県の我々若手の蔵元でよく「大吟醸粕取焼酎」を佐賀の焼酎というイメージにしたいという話をしている。
3)もう一度、粕取焼酎にスポットを当てて温故知新の精神で今の時代にあった新しいものを創造していきたい。

との事であった。

2)および3)でも分かるように現代の志向にあった「大吟醸粕取焼酎」に力を入れていく方針のようだ。現代の嗜好にも合い、特に女性向けの商品として誠に正しい選択だとは思う。

ただ1)で発言されておられるように「文化的側面」から古典的粕取焼酎に関心があるとおっしゃっておられる。

我々マニアとしては、いつまでも「古典的」正調粕取焼酎も残して欲しいと切に願うばかりである。


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