2002.08.11 by goida

銘柄
度数
原料
原産
玉出泉
25度
清酒粕
福岡県筑紫野市二日市中央4丁目9-1
大賀酒造株式会社
製品的特徴
捕獲者
評者
レッドブック度
goida
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現存
■評者雑感

●当該銘柄について
二日市といえば、万葉の頃から栄えた古い温泉地、そして太宰府天満宮の玄関口だ。私にとっては高校時代の苦い思いでの地である(?)。

蔵元である大賀酒造の創業は延宝元年(1673年)。福岡都市圏で最も古い歴史を誇り、また秋の大祭で使用する牛車の牛を所有するなど、近くに鎮座する「太宰府天満宮」とも関係が極めて深い。

創業以来湧き続ける「宝満山の伏流水」の井戸水と福岡県産の酒米「山田錦」を用い、代表銘柄の清酒「玉出泉」などをはじめ大吟醸酒「筑紫野」や「夢香蔵」など個性のある日本酒を世に出しているそうだ。清酒蔵としてのイメージが強い当蔵だが、当銘柄の他には米焼酎「三菱」や12年貯蔵の麦焼酎「都府楼」など焼酎の製造も行っている。

筑紫野市一帯は稲作が盛んな地域である。おそらくは地元の人に古くから馴染みの銘柄。さてさて、この「玉出泉」、実力は如何に・・・。

●ボトルデザイン:
淡い緑地に白と黄色の菊の花が咲き乱れている絵柄。「芳醇無比」、「聲譽秀天涯」の文句に挟まれる形でひげ文字の銘柄名が堂々と配されている。ラベルに原料表記は見あたらず「粕取焼酎」と大書き。そうかと思えば、力強さだけでなくどこか流麗さを感じられる。

それにしてもなぜ「菊」の花なのであろうか。(太宰府に近い)二日市ならば「梅」の花というイメージがあるのだが。ちなみに市の花は真っ赤な「サルビア」だそうである。

●香り:
封を切ると粕取り独特のあの香りが立ち上ってくる。もみ殻の重い香り。しかしきついというわけではなく、穏やかな感じである。臭いを嗅ぎすぎた事による「慣れ」なのかアルコール度数によるものなのか・・・。不明。

●味わい:
生で飲んでみた。粕取り独特の飲み込んだあとのヌメリとした感覚が口に残る。濃い感じだ。しかし香りと同様、アルコールの刺激も強い方ではない。穏やかなイメージである。ロックにしてみたが、これも重さがとれて結構いけたのでした。

●レッドブック度:
実はこの焼酎、私のアパートのある福岡市西部の酒屋で購入した。お店の方にはレジで珍しがられたのであるが、その後、蔵元の方に電話で問い合わせてみた。

タイミング悪く専務がご不在とのことであったが、女性職員の方から丁寧な回答をいただいた。以下、まとめてみると、

1)当銘柄は昔ながらの風味が特徴のバリバリの現役銘柄である。
2)蔵の周辺地域での固定客による消費が中心の他、私が購入したようにいくつかの
  酒屋で販売されている。
3)商品のラインナップは25度と35度。1升瓶と5合瓶の販売形態がとられている
  (ただし5合は現在在庫がないとのこと)。
4)生産中止といった計画は皆無で、今後とも製造を続けていく。

とのこと。

2)についてであるが、飲用の他、『飲み方、飲まれ方』でも紹介されているように梅酒を漬ける目的で求める方も多いそうである。実際に対応していただいた職員の方も漬けているとのことだった。

なお、ラベルに表記されている会社名が「大賀合名會社」となっていた。福岡県酒造組合のHPによると現在の社名は「大賀酒造株式会社」のようであるので、酒屋のデッドストックものであることも考えられる(瓶詰め時期を示すものは見あたらなかった)。

思えば、私、二日市へはまともに行ったことが無く(高校の時も通過駅の一つであった)、温泉の方も浸かったことがなかったりする。「すぐ行ける。」という安心感というか、成人後の5年間この焼酎を見逃してきたことになる。

身近にこそ良い物があるという好例であろう。末永く愛される焼酎であることを願ってやまない。


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