2002.08.05 by 猛牛

本コーナーにおいては、今後個別の粕取焼酎の銘柄についての保護を展開し、可能な限りの記録を残していく所存である。

その際に当該銘柄の棲息のレベルを、あの『レッドデータ』のカテゴリー定義を敷衍してカテゴライズし、個々の銘柄消滅の危険度をランク付けすることとした。

下記が現時点で作成した、“粕取焼酎レッドデータ・カテゴリー”である。

■“レッドデータ的”カテゴリー定義
区分及び基本概念
定性的要件
消滅
Extinct(EX)
すでに蔵元自体が廃業し、銘柄も絶版となった粕取焼酎
過去に存在したことが確認されており、他社引継を含め、北部九州ではすでに消滅したと考えられる銘柄。
本家消滅
Extinct in the Origin (EO)
元々の蔵は廃業したが、銘柄が他社に引き継がれて存続している粕取焼酎
過去に存在したことが確認されており、他社に銘柄は引き継がれて存続しているが、本家蔵元はすでに廃業している銘柄
消滅危惧類
Critically Endangered(CR)
ごく近い将来における本家蔵元での銘柄消滅の危険性が極めて高い粕取焼酎
次のいずれかの形で商品群の減少がみられる銘柄

1.最近10年間以上の期間を通じて、製造の著しい減少があったと推定される銘柄。
2.最近10年間以上の期間を通じて、販売量が著しく減少し、生産中止の兆候が見られる銘柄。
3.出現範囲、販売拠点数、フェイス数等に継続的な減少が予測される銘柄。
4.出現範囲、販売拠点数、フェイス数等に極度の減少が見られる銘柄。

情報不足
Data Deficient (DD)
評価するだけの情報が不足している粕取焼酎
市場環境の変化によって、容易に消滅危惧のカテゴリーに移行し得る属性(具体的には、次のいずれかの要素)を有しているが、店頭化状況をはじめとして、ランクを判定するに足る情報が得られていない銘柄

a)どの販売エリアにおいても販売密度が低く希少である。
b)販売エリアが局限されている。
c)酒類地理上、孤立した流通特性を有する(流通域がごく限られ地焼酎種等)。
d)飲酒史の一部または全部で特殊な環境条件を必要としている。

現存
existence (ET)
消滅の危険が見られない粕取焼酎
現有の市場環境において、飲用および梅酒用としても、販売密度やエリア、流通の面で良好な状態にある銘柄。
さて。現在この“遠大なるプロジェクト”に関わっている、けんじ氏、goida氏、および不肖猛牛については焼酎狂ではあるが、単なる銘柄収集に走ったり、また蔵元から物品を収受してパイドパイパーを買って出る「民俗的焼酎宣伝家」としての動きは一切取っていないことをキッパリとお断りしておこう。

例えば収集というものは、所蔵品の希少度が高いほど、自己満足のレベルは高次に満たされる。しかし、酒または焼酎についての希少度によっておのが満足を極めるなら「蔵消滅による絶版品の所有」という極北に立ち至るであろう。

しかしながら、我々は“ネクロフィリア(死体愛玩症)”ではない

過去の歴史を掘り起こしながらも、現在、そして“将来”を生きていくべき粕取焼酎蔵の製態系を注視し、その状況を残していく作業こそが、北部九州の「生きた飲用民俗文化」としての粕取焼酎への一助となると判断した次第である。

SAVE THE KASUTORI!

そうそう・・・我々は真面目、ぬぅあんである(爆)


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