2002.10.16 by けんじ

銘柄
度数
原料
原産
大亀
25度
酒粕
福岡県粕屋郡粕屋町長者原
光酒造株式会社
製品的特徴
捕獲者
評者
レッドブック度
白濁・まろやか
猛牛
けんじ
現存
■評者雑感

●当該銘柄について
麦焼酎『博多小女郎』や、シェリー樽貯蔵の麦焼酎『夢想天楽』で有名な光酒造は、戦後に出来た比較的新しい焼酎蔵である。現当主、光安直樹氏は2代目という。

初代は先取の気風を持ち、焼酎業界全体でも極めて早く「四合瓶」の容器を導入した。博多まで新幹線が延伸した当時、駅売りに先述の「小女郎・四合瓶」を投入。博多名物の辛子明太子と共に、手軽なサイズの焼酎はお土産として大いに受けたそうだ。

また早くから県外市場へも販路を広げ、現在は福岡県屈指の規模を持つ焼酎メーカーに成長。また焼酎蔵の隣には清酒蔵も併設し、銘『西乃蔵』を醸造している。

その他詳しくは「筑前“粕取”ON THE ROAD2・粕取の火を灯し続ける粕屋の有名蔵・光酒造」を参照されたい。

さて、この蔵は、創業時「粕取り専業メーカー」としてスタートしたという歴史を持つという。

また、粕取り焼酎専業メーカーが多かった大宰府神領田領地に蔵があり、近くの旧「国鉄志免炭鉱」に代表される炭鉱地帯での労働者の愛飲酒だったという歴史的背景も興味深い。

粕取り専業蔵をルーツに持つこの蔵の焼酎は、如何に・・・?

●ボトルデザイン:
全体が淡く青みがかったグリーンで統一されている。渋く落ち着いた第一印象だ。

メインラベルに「大亀」の堂々たる書体が印刷されているが、サイズ大きからず、小さからず、バランスが良い。「オーガメ」とルビが振ってあるのが親切だ。どうやら「オオガメ」ではないらしい(爆)

「粕取焼酎」の文字を左右に配置。上部に「TRADE MARK」とローマ字が。どうやらローマ字が好きなのは佐賀だけではないようだ(爆)。八方に光る星型の、光酒蔵「トレードマーク」が燦然と輝やく。

全体的にバランスの取れたモダンなデザインといえよう。

●香り:
香りを嗅ぐ前に、酒の色を見てみた。白濁したその堂々たる濁りっぷり。“正調粕取りの真髄ここにあり”である。

白濁さ加減から強烈な匂いを想像していたが、非常に落ち着いた香りがする。籾殻独特の焦げ臭よりも、油分の落ち着いた香り?が卓越している。

その向こうに、やわやわとした焦げ臭がたなびく。引き香も味に例えると「まろやか」な感じといおうか。

私の鼻が麻痺したのか(爆)、大人しい粕取りである。

●味わい:
生で飲む。濁りから想像した通り、油分が卓越している。その刹那何故か「たくあん」の味がした。発酵?(爆)

とにかく香りも味もまろやか、3年じっくり寝かせてから出荷するそうだが、確かに落ち着いた味である。

舌、唇にピリピリするような不快な刺激がなく、本格粕取りの奥深さをまた体感した。

ロックで飲むと油分が余り感じられず良い効果をもたらす。このカストリは食中酒としての可能性を感じる(爆)

●レッドブック度:
「筑前“粕取”ON THE ROAD2」取材時に、社長に粕取りの存続を聞いてみたが、「やめる予定は全くない」との事だった。この蔵のルーツ酒でもあり、また確固としたユーザーがいるからであるという。

そのユーザーが面白い。

「粕取りの出荷は地元1割、山陰9割です」と言うのだ。「飲用も多いようですが、名産の野やきカマボコ、普通のカマボコ、ちくわ、いわゆる魚の練製品の臭みを消すのに使ってるらしいですね」とおっしゃる。

「仙崎あたり(山口県長門市内、魚類練製品の一大産地)のメーカーも、高級品に結構使ってくれてるようです」

地元のユーザーはやはり高齢化しているようだが、山陰に殆ど出荷しているとは興味深い。

一つ妄想してみた・・・・練り製品の匂い消し用のため、香りは穏やかなの、かも。

伝統ある粕屋の粕取りは幅広い用途に使われ、しぶとく生きているようだ。


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