正調粕取焼酎 まぼろし
2005.02.07 by 無法牛

池田
銘柄
度数
原料
原産
無法松
25度
吟醸粕・米麹
福岡県北九州市小倉南区
無法松酒造有限会社
製品的特徴
捕獲者
評者
レッドブック度
吟醸香柔らか
猛牛
猛牛
現存
■評者雑感

●当該銘柄について
福岡県北九州市小倉南区にある清酒蔵、無法松酒造さんで造られている吟醸粕もろみ取りの粕取である。同蔵には、この探偵団をスタートさせた02年夏に一度正調粕取焼酎の有無についてお問い合わせ申し上げたことがある。

その時、福岡県酒造組合のページで蔵元紹介を見たとき、女性6人(+男性1人)で運営されているとあって、おもわず「よよよよよ!(@_@;)」と酒造美女が大量に御存在遊ばされているのではないかと気になったもんだぁ。

この品については、わての故郷・北九州市に住む知人から連絡があり「あんた、粕取好きやったちゃない? 送るわ」と寄贈いただいたもの。

無法松酒造さんは明治10年の創業で、場所は小倉南区のさらにさらにDeep South=カルスト台地として知られる平尾台の麓にある。わてがガキの頃は、よく生まれ在所の八幡東区から自転車に乗ってサイクリング、平尾台の頂上から逆落としに曲がりくねった急勾配の道を駆け下りていた。気持ちがよかロケーションである。

さて、蔵の名称でもあり商標である『無法松』だが、これは昭和14(1939)年11月号に発表され、後に『オール読物』にも掲載された『富島松五郎伝』の主人公“無法松”に由来する。

無法松は、北九州もん(狭義の北九州市出身者)にとって、若松の玉井金五郎と双璧、いや一番のヒーローと言える存在だ。

無法松が暮らした小倉北区の隣町、八幡東区で生まれ育ったわてに、小倉祇園太鼓で“乱れ打ち”を披露する機会は永遠に訪れることはない。けれども、無法松は他区に住む地元民にとっても思い入れ深いキャラクターなのである。

♪小倉生まれで、玄海育ち 口も荒いが気も荒い
 無法一代、涙を捨てて 度胸千両で生きる身の
 男一代無法松♪

作詩 吉野夫二郎 作曲 古賀政男    

軍人の未亡人である吉岡夫人に当時最下層の職業だった人力車夫の無法松が抱く、実るはずも無い純な恋心。それは数多の焼酎美女へ恋慕の情を抱きながらも決して成就することがない不純な我が身に重なってくるんであ〜る。そこが無法松がいまだ愛される理由だろう。

「ぼん。ええかぁ。おいちゃんが飲んでみるけ。乱れ飲みじゃぁっ!!(-"-)/

●ボトルデザイン:
上質な和紙風。白いベースにスミの文字、「粕取焼酎」が赤く浮き出て見える。松の枝が意匠として上部に掛かっている。無法松の髭文字が、これまたらしいムードを醸し出す。正統派のデザイン。スモークのボトルがちょいと高級感を醸す。

●香り:
香りは優しく、吟醸香がくどくない。というか、ほのかな感じ。あっさりしたライトな立ち上がりである。同じ吟醸粕もろみ取り系と比べてもとてもソフトだ。

●味わい:
知人が送付してくれてから2週間以上寝かせての試飲。落ちついた段階で飲んでみた。

香りと同様、スーーーーーッと喉の奥に入っていく。口に含んだ瞬間に、ちょいと味の膨らみ(良い意味での雑味)を舌の両側で感じるが、含み香の爆発はあまり無くさっと鼻から抜ける程度で落ちつく。上品だ。

清酒蔵さんでよく聞くお話だが、やはり「食中酒として料理を邪魔しない」焼酎という主義が貫かれている印象がある。女性6人が造ってらっしゃるということも感性として影響しているかもしれない。

蒸篭+籾殻使用のド正調粕取派にはもの足らないかもしれないが、「吟醸香が強いのはちょっと(^_^;)」という方には入門用としてお勧めできる品だと思う。

●レッドブック度:
現役であり、同社HPにもカタログに記載されている。

北九州市には現在二蔵しか蔵元が現存していない。東区にある溝上酒造さんは02年に粕取探索で一度訪ねたことがある。しかし、無法松酒造さんの蔵は未見。酒造美女と思しき女性6人(こだわるねぇ)がどのような造りをされているのか、一度拝見したいもんだ。

♪八幡生まれで、洞海育ち 口も悪いが筆荒い
 無法末代 故郷捨てて 酒造美女で生きる身の
 男一代無法牛♪


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