2002.08.28 by 猛牛 写真提供/ふひと隊員

銘柄
度数
原料
原産
香露・宝壷
40度
酒粕
福岡県三瀦郡城島町
九州進醸株式会社
製品的特徴
収蔵者
解説
レッドブック度
特製一ノ瀬焼壷入り
ふひと
猛牛
廃業・消滅
■評者雑感

●当該銘柄について
かつて福岡県三瀦郡城島にあった九州進醸さんの『香露』が入った壷製品。この『宝壷』という商品は、博多焼酎組合さんに加盟している蔵元各社の共同企画で、蔵元それぞれの銘柄が同じラベル・容器に入って覇を競うという面白いものである。この企画は息が長く現在も続いている。

最低でも3年はそのまま寝かせて、それから飲んで下さい・・・という、わてのようないぢ汚い飲兵衛には気の遠くなる商品特徴(爆)を持っているが、熟成をじっくり待つとは、いかにも焼酎らしいと言えば焼酎らしいアイテムである。

さて、筑後における粕取焼酎の専業蔵元として、最後まで奮闘されたという九州進醸さんだが、時代の流れに抗しきれず廃業された。その後この『香露』という銘柄は、森永酒造さん(現・杜の蔵)に引き継がれた。

現在、杜の蔵さんの粕取二大銘柄のうち、『吟香露』にその名を留めている。

●ボトルデザイン:
まず保存と輸送に適した頑丈な木枠が凄い。さらに壷は一ノ瀬焼で、名陶と言われた丸田泰義氏によるデザインの三耳壷。錆びた感じがまさに重厚という風合いである。柄杓は八女竹の職人さんによる手作りのもの。贅を尽くしたとはこのことか。

●香り:
正調粕取焼酎らしいグッと来る香り。1年半前に飲ませていただいた時点で13年寝ていたものだったが、大人しくなるどころか、独得の香りを発散させていた。

これを飲ませていただいたあの時の感想を、なんて言って表現して良いのか、正直ぴったり来る言葉が出ない。しかし今になって思えば、若い粕取には無い独得の深みがあった様に思う。

●味わい:
これが筑前正調粕取の初体験だったため、まさに衝撃の味だった(爆)。40度という度数もあって、生では降参。ロックだとまろみが出て、美味しかった記憶がある。

どちらにしろ、もう1年半も前の話なので記憶が薄れてしまっている。現時点で飲んだら、また違った感想になるだろう。細かく書けずに申し訳なし。

●レッドブック度:
蔵元さんが廃業されたことにより完全に消滅した。もう飲むことは叶わないが、画像だけでも記録として残したく、ふひとさんに提供をお願いしたのが、これらの姿である。

これを飲ませていただく機会を得たのは、2001年の2月にふひと隊員のお宅にお邪魔した時のこと。ふひとさんの御母堂が「13年前に地元の祭りの福引き大会で当たった焼酎が、うちにありますよ」とおっしゃって、わざわざ飲ませていただいたのだった。

それから1年半。色んなご縁があって飲ませていただいた焼酎を、再度コンテンツとして取り上げることになったのは合縁奇縁というものか。

◇   ◇   ◇

ところで、昨日筑後のある蔵元さんへ粕取銘柄のことを問い合わせたが、残念なことにその品は昨年までで製造中止・終売となった由、先ほど返信をいただいた。

例え非力ではあっても、もう1年でも2年でも早く、そう、この宝壷を目の前にしたあの時に、本当の“幻”たる存在に気づいて声を上げれば良かった、と心底思った。そういう自分が、なんとも悲しく、悔しい夜である。


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