2003.05.13 by 猛牛

■北と南の焼酎を足して2で飲む、『統一焼酎』。

先日、遠方の友人より『平壌焼酎(PYONGYANG SOJU)を頂戴した。今なにかと世上騒然の北の國の甲類焼酎であります。

これは以前から気になっていた銘柄でしてですにゃ。こちらこちらでその存在を伺ってからは、どーーにも飲みたくてしゃ〜なかった。が、その機会がやっと訪れたんでありんす。

では、どーやって飲むか?

今回挑戦したのは、南北の関係融和が進んでいた頃に流行っていた(今もそうかは不明)という「統一焼酎」なるもの。両国の焼酎を50/50でブレンドしていただこうという、まさに南北・味の統一の世界史的実験である。

大韓民国の『眞露』
朝鮮民主主義人民共和国の『平壌焼酎』
さて、一方の南からは定番の『眞露』を選んだ。「南北首脳会談」において統一焼酎製作のために起用されたという『C-1』はわての身近に売っていなひ。

その『眞露』、当初わての家の近所にあるディスカウンターにて英文ラベルのお馴染み「眞露ジャパン」製700mlを買っちまった。が、あとで思い出した。嘘か真か、韓国の現地で飲まれているものとは糖度が違うちゅー巷説である。

本格焼酎なら「飲めりゃ良かろうもん」とルーズなわてだが、甲類にはなぜか「こだわりの男」ぬぅあんである(-"-)。現地より直輸入の『眞露』を買い、試飲の肴もついでに仕入れようと、筑前市内は西新にある韓国食材店へと向かった(最初から行きゃ良かった。『眞露』二本、どうすりゃえーちゅーねん(T_T))

■まず、瓶の外側を舐めてみる・・・。

ちゅーわけで、せっかく並んだ両雄、ちょいと外観を見てみよう。

●まずは『平壌焼酎』のキャップ(上左)。なんの変哲もないキャップだが、ちょいと並びが乱れた感じの「PYONGYANG」の文字が、なんとも彼の國らしい風情を漂わせている。『眞露』700mlのキャップも、色違いだが英文が印刷されている。

南北二つ並んだキャップと王冠。やはり『眞露』は、市場原理が働いている国家の焼酎だけに、ロゴおよびマークなどによる視覚的差別化が機能している。『平壌焼酎』の場合は、胴ラベルとキャップでは、“平壌”の文字の書体がまったく別物なのだ。逆に、視覚的統一感などということは無縁で良い世界にあるんだろうにゃ〜と。

●次に瓶の底部。さすがに『眞露』の700mlを2本買うのも大変なんで、300mlの小瓶を買ったが(上左)、リターナブルらしく、底と肩部分が相当に擦れている。まぁ、当然と言えば当然か。

わてが注目したのは『平壌焼酎』の底。1センチちょい位出っ張った帯の部分、というか、網の目状に模様が入った部分。これは結構荒い印象だ。瓶の型抜きの技術的問題なのか、それともデザインなどということまで気にする必要もないのか?

ちなみに、先の『眞露』700mlは、瓶自体は凹凸のほとんど無いすらりとしたボディラインである。南と北、無骨さの違いがとても印象的な二本である。

■というわけで・・・それぞれ味見を。

外観の次は、中身を舐めてみる。二つを同じグラスに入れて並べてみた。見た目は、変わりはない(当たり前か)。では、実際のお味・・・。

●『眞露』(上左)

うむ(・・)。香りは、わてはあまり感じない。甲類らしい、ちょいとツンとした感覚はあるかな。飲むと、舌にツンツンとした当たりがある。とにかく甘い。「眞露ジャパン」物と比較したいが、開けると全部飲まないといけないので、我慢(──;

●『平壌焼酎』(上右)

う(@_@;)。これはまず匂いに特徴あり。何の匂いだったかと思い出していたら、昔よくプラモデルを作っていた時に使ったプラカラー、たとえばRevelとかグンゼ産業の小さいボトルに入った塗料のアレを思い出した。って、浸菜遊びをしていたわけではぬぅあいがのぉ〜。これって主原料というトウモロコシの香りなのだろうか?

さて、お味だが、これは『眞露』とごっつ、いやそれ以上に甘さを感じる。まったりとした・・・という表現が合っているかにゃ。

この味、文化と嗜好の違いを感じさせてくれます。

■というわけで、「統一焼酎」に挑戦!

さてさて、いよいよ「統一焼酎」にチャレンジ、である。

統一の仲人には、先の食材店で買った「白菜のキムチ(ニンニク入り)と、わての大好物の「チャンジャ」に相務めていただいた。

統一化の式典会場は、両国焼酎に敬意を表して、家人が昨年プレゼントしてくれたバカラのグラス。晴れの日にしか使わないという高貴なる迎賓グラスである。本格焼酎を飲むときでさえ、ふだん供されることが無いのだっ!(-"-)

まさに「統一焼酎」を愛でるには、最高の舞台が設えられた! いざ、Drink!

う。甘いぃ〜!(~Q~;)

甘い、ひたすら甘い。しかも匂いは『平壌焼酎』が勝っているので、なんとも渾然一体となった甘さと匂いが襲う。

しかし、単体で飲むだけならナンだが、「キムチ」や「チャンジャ」と一緒にいただくと、飲める。辛さを甘さがリカバーしてくれる。まぁ、わての好みの味ではないが、やはり食と酒は持ちつ持たれつというか、それがよく解る統一の味であった。

■亡き母に、母の日に・・・。

閑話休題。5月11日「母の日」に、これを書いていました。母は、両国が植民地下にあった1936年に釜山で生まれました。敗戦後、祖父の船に乗って対馬海峡を渡り福岡県に引き上げた時のことは、ずっと以前ここに書いたことがあります。

よく母と祖父が「昔」の話で口喧嘩することがありました。母は、小学校4年まで居た釜山で現地の人々に可愛がってもらったことを、喜びを持って語っていました。が、祖父はそうではありませんでした。民族のこと、戦争のこと、古い教育を受けた人です。

また、祖父は長男であり、また対馬海峡を渡る軍事輸送船に乗り組んでいたので、鉄砲担いでの実戦を知りません。確かに敗戦が迫る程に、関門海峡を航行する小さな貨物船でさえアメリカ潜水艦に撃沈されたり、機雷がそこらに浮いている状況になっていたので、危険が無かったわけではないのですが。

逆に父は、敗戦後の満州で銃弾と飢えの死線をくぐり抜けた男だったので、戦争のことなどまったくと言っていいほど勇ましく語ったことはありませんでした。二人とも、ある意味で“庶民”だったにゃとわては思っています。

母は言ってました。「じいちゃんは、自分が鉄砲持って戦争行ってないけ、そんな勇ましい事が言えるっちゃ」。人間、得てして、そげなもんかも知れません

祖父はもちろん、母も鬼籍に入ってしまいました。わては「統一焼酎」をいただきながら、母を生まれ在所の釜山に再度連れていこう・・という計画が実現できなかったことを考えていました。ぬぅあんて、親不孝極まりない息子でしゃう、飲んでばかり居るのですから。

さて・・・・・・・懺悔のつもりで、もう一杯、うっぷ(~Q~;)


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