2004.12.28 解説 加賀美牛親方

『笹酔会』ファンの皆様、こんにちは。

通算9場所目となります、『笹山さんを酔い潰そうじゃない会』の時間がやってまいりました。

ここで今日の取組の解説をしていただくのは、お馴染み、元序の口・牛蔵丸の加賀美牛親方です。親方、どうぞよろしくお願いいたします。

加賀美牛:ごっつあんです。よろしくお願いします。

というわけで、今年7月の東京場所から約半年、筑前では3年振りに開催される今場所です。まずは筑前酷際センターこと福岡市南区大楠「和風ダイニング・てんてん」の土俵からの中継ですが。

「笹酔会」久しぶりの筑前開催ということで顔ぶれも凄いですね。国分酒造協業組合部屋の総力戦といいますか、東の意気込みを感じます。いかがですか、加賀美牛さん?

加賀美牛:あのぉ・・・鹿児島からも近いという地の利もあって、今回は西を完膚無きまでに、そのぉ・・・潰すという国分部屋の覚悟を感じますね。

それでは今場所の番付ですが、まず東から。圧倒的な強さを誇る大横綱の笹山関を筆頭に、大関に博多シティホテル部屋の水岡善弘総支配人関がまず特別に初土俵ですが。水岡支配人については?

加賀美牛:ええ・・・仕事柄ですねぇ、笹山関と張り手の応酬が出来るくらいの横綱だったんですが、そのぉ・・・最近はさすがに齢を重ねた結果、ちょっと大関かな、と自ら宣言されてますね。とはいえ、これまで数限りない土俵で鍛えた攻め巧者・・・侮れませんよ。

続いて、国分部屋から安田杜氏関の初土俵。杜氏自ら出場とは驚きですね。

加賀美牛:国分部屋からは、安田杜氏関は大関クラスとの発表がなされてますね。造りも飲み飲ませもそのぉ・・・技が冴えるという感じですか。蔵人出身力士ですと・・・そのぉ、「待った!」が掛かる力士が多いんですが、お祖母ちゃんが造っていた焼酎で鍛えた、というくらい「心・技・体」を極めた安田杜氏関ですから・・・そのぉ、油断するとまわしを一気に取られる可能性が、高いですね。はい。

さらに今回は、なんと笹山千枝子代表理事関も初土俵ということで、これまた瞠目です! 部屋の“親方”自らが土俵に上がられるとは・・・。文字どおり三役揃い踏みです!

加賀美牛:理事長は、あのぉ・・・笹山関の御母堂でらっしゃいますが、さすがに親子といいますか、酒相撲はイケる飲み口と評価が高いです。番付は関脇という発表が国分部屋からなされています。

東は文字どおり国分部屋の総力戦となっています。期待できます。

対して西ですが、今場所の顔ぶれはいかがでしょうか。まず、珍しく正横綱の鮑櫻関が堂々の登場! もぉ見るからに横綱の貫禄充分ですが、女流横綱としての飲み口の方は?

加賀美牛:鮑櫻関は、西の横綱として別格、九州焼酎探検隊部屋が誇る最強の力士です。とにかくこれまで全戦全勝で、筑前焼酎愛飲界の双葉山とも讃えられています。その強さですが、そのぉ・・・“抱え込み・お持ち帰り”に持っていきたい男性力士の攻めをことごとく返し技で振り切り、ふた土俵目あたりで、ぬぅあんといいますかっ・・・浴びせ倒しで土を付けています。女流横綱の最右翼として、笹山関撃破に向けた西の意気込みを感じますねっ。

次も初土俵の末乃灘関ですが、末乃灘はどうでしょう?

加賀美牛:新入幕から数十年。攻め巧者で底力のある存在です。最近はさすがに酒量が減ったとはいえ、毎晩稽古は欠かしていないですね。

続いて、同じく初土俵の序の口、六東石関ですが。大変飲み口が弱いと伺ってますが。

加賀美牛:あのぉ・・・六東石関は、猛者が多いといわれる博チョン族力士ですが、お猪口一杯の突き出しで土俵を割るという珍しいタイプです。体質的に酒相撲は合わないと聞いていますが。このあたり・・・西はちょっと苦しい展開になりそうですよ

初土俵の力士が多い今場所ですが、同じく兼見盛関、兼見盛関はどう見られてますか?

加賀美牛:相撲はもともと豊作を占う農耕儀礼が起源と言われていますが。そのぉ・・・そういう意味でも大変的を得た出場といえますねぇ。接待巡業で稽古も充分です・・・最近は度数の高い蔵出し紅毛酒で胃腸も鍛えてますから、笹山関へどれだけ肉薄できるか、取組が楽しみですねぇ。

最後に、大横浜場所での土俵割りの記憶も生々しい牛乃灘関。これまで盃突き出しで黒星が込んでいますが、今場所の展開はどうでしょうか?

加賀美牛:牛乃灘関の悪い癖は、そのぉ・・・突き出しの連続が始まると自ら土俵を割るという悪循環ですねぇ。土俵の雰囲気に飲まれる、という悪い癖がありますから、自制心を保って取組に望んでもらいたいものです。はい。

親方、ありがとうございました。それでは取組をご覧いただきましょう。

時間一杯です・・・。
左から:笹山理事長、安田杜氏、笹山護氏、水岡総支配人
というところなんですが・・・まず牛乃灘関と兼見盛が注ぎ役に回って、盃を回してます。今場所は出場力士が多いので、立ち合い、しばらく見合ったままです。

さて、ここで今場所の“力水”ですがご紹介しましょう。まず左からですが、宮崎の初蔵出し焼酎『あくがれ』、国分部屋秘蔵の『いも麹芋1999年仕込み』、宮崎では珍しい清酒『千徳』純米酒、福岡は杜の蔵さんの『大手門』吟醸です。
まずは立ち合い、『いも麹芋1999年仕込み』の突き出しで始まりましたが・・・っと、牛乃灘と兼見盛が一口がっぷりと飲んで・・・お!・・・瓶を脇に隠してますねぇ・・・。それで今年度版の『いも芋』を他の力士に注いでいます。これは?

加賀美牛:『いも芋』のヴィンテージということで、両力士が“抱え込み”に入りましたか? いやぁ、これはせこい飲み口だっ。牛乃灘は瓶をまわしに入れようと・・・国分部屋の関取の目の前で、こういう立ち合い、東の目はごまかせませんよ・・・イケマセンねぇ。
おっと! 立ち合い早々、行事が六東石に「残ったっ!残ったっ!」と盛んに声を掛けていますが・・・ああ! 声が届きません! 立ち合い早々、六東石から「いやね、待った」、「いえね、待ってくださいよ」と待ったが掛かりましたぁ〜〜! まだ始まったばかりですよ??

加賀美牛:予想通りといいますか、ロックグラス1/4で待ったですね。あのぉ・・・もうすこし、土俵際で粘って欲しかったという気がしますねぇ。西は手痛いですよ。

笹山関と鮑櫻関ですが、お互い相手の出方を伺っている状態です。

加賀美牛:さすが、横綱相撲の貫禄ですね。互いの決まり手は熟知しているでしょうから、そのぉ・・・長期戦覚悟のペース配分、というところでしょうか。

笹山理事長、安田杜氏、水岡支配人、末乃灘もやはり大人といいますか、手堅い飲み口で盃突き出しの応酬です。

加賀美牛:巧者ですね。長年の稽古の成果でしょう・・・安心して見ていられる飲み口です。年期というものでしょう。
代わって、兼見盛と牛乃灘ですが・・・。別の“力水”を取りだしていますが・・・?

加賀美牛:それは・・・あのぉ・・・宮崎の新しい部屋、東臼杵郡東郷町にある富乃露酒造の『あくがれ』のようです。これは六東石の持ち込み品です。

出場力士が真剣な面もちで盃の突き出しです。安田杜氏も神妙に『あくがれ』に取り組んでいます。
加賀美牛:話題の新部屋ですから、各力士、仕切直してすり足で取り組んでいますね。

お! 牛乃灘の盃突き出しのペースが速くなってきたっ! 兼見盛持ち込みの純米吟醸『大手門』をぐっぐっとぶちかましています!

加賀美牛:混ぜっ返しではイケマセンよ。脇が甘い。まだまだ序盤戦だというのに、いつもの悪いクセが出ましたか。

それにしても両横綱、まったく顔色変わりません。堂々たる横綱相撲です! ここでちょっと鮑櫻関のコメントが入ってきました。はい・・・はい・・・「笹山関はペースをまったく変えることなく、ゆっくりと飲んでいる。飲み巧者ぶりに驚きました」とのことです。

加賀美牛:素晴らしいですねぇ。鮑櫻関も、笹山関の飲み口の上手さを讃えているようですね。

というところで、中入りです。笹山理事長関と末乃灘関は、夜分遅いということで土俵を割りました。最後まで取組が見れなかったのは残念です。・・・理事長は長旅のお疲れもあるんでしょうかね、加賀美牛さん?

加賀美牛:そうでしょうねぇ。取組は御子息である横綱に預けたというところでしょう。

中入り
中入りですが、水岡支配人関なじみの中洲の某スナックで一旦控えに入ります。すかさず始まったのは相撲甚句の応酬です。安田杜氏関が、これまたぬぅあんともまったりと、たいへん気持ち良さげに甚句を唸ってらっしゃいますねぇ・・・。
加賀美牛:あのぉ・・・蔵前での緊張した面もちとは違い、巡業先の筑前でぬぅあんともリラックスされているのが伺えますね。ちょっと照れてらっしゃいますか? 隣りに控えた付け人もぬぅかぬぅかです。
続いては笹山関の甚句朗唱ですが・・・薩摩焼酎界の誇る酒量と爽やかさを兼ね備えた美丈夫として有名な笹山関ですが、隣りで見上げる鮑櫻関からも溜息が漏れています。

加賀美牛:東京蔵前酷技館で鍛えられたスマートぶりと申しますか。私も笹山関の甚句は初めて聴かせて貰いましたが、大変お上手ですよ。鮑櫻関がうっとりんとするのも理解できますね。


次は牛乃灘関の甚句ですが・・・あの・・・誰も聴いていませんねぇ・・・。

加賀美牛:笹山関と牛乃灘関は双子のように似ていると言われているんですが、なぜかモテルのは笹山関だけなんですねぇ・・・爽やかさでは互角との前評判なんですが、どうしてでしょうねぇ、まったく。イケマセン、イタダケマセン(-"-)

ここで鮑櫻関が、笹山関に物言いを付けてますが・・・力士同士で物言いとは前代未聞です!!! 鮑櫻関はなんと言ってるんですか?・・・向こう正面の・・・はい・・・鮑櫻関が笹山関に・・・はい・・・「飲むペースが遅い!ずるい!(-"-)と物言いですか?! ・・・さすが女流酒豪横綱の貫禄です! こっわーー(@0@;)

加賀美牛:こりゃ、参りましたなぁ(*^^*)

というわけで、中入り後の取組は、焼酎バーの老舗、中洲「まりりんBAR」に土俵を移りまして・・・と思ったんですが、

おっと、牛乃灘が相当に酔っています。足元がふらついてますが・・・。電柱と相撲をとるつもりかっ? おおおおおっ! 今度はなにを勘違いしたか、盃ではなく鮑櫻関に、鮑櫻関にもろ差し、がぶりよってます! これはイケマセン! 酒相撲であって、“床相撲”ではないんですから!

加賀美牛:どうしたんでしょうねぇ??? 絶句ですよ・・・。

牛乃灘、鮑櫻を抱え込んでぇ・・・禁じ手の「もろ手出し」で攻めています! なにか叫んでいます! なに?

「鮑櫻、俺のオンナになれ!(~Q~;)

何を考えているのか?! 理解不能です!(@_@;)

いま審判員から物言いが付きましたっ! 審議です、審議! 一体どうしたというんでしょう、牛乃灘は・・・。鮑櫻関タイプが趣味だったとは、これまた驚きです! 牛乃灘の審議は、大横浜場所以来ですね。

加賀美牛:いや、牛乃灘はどちらかというと細身が趣味だと聞いてましたが・・・。まだまだ「心・技・体」でいう、心を会得していない、ということでしょう。「笹酔会」の精神を傷つける失態といえますね・・・ほんとに困ったものです。



15分後


いま向こう正面から判定が決まったとの知らせです。こば之山「笹酔会」協会会長のアナウンスが始まります。

「ええ・・・この度のぉ・・・大筑前場所におけますぅ・・・牛乃灘関の鮑櫻関に対する禁じ手“もろ手出し”につきましてぇ・・・協会で審議した・・・結果ぁ・・牛乃灘関にぃ・・・失格のぉ・・・裁定がぁ・・下りましたぁ・・・・・・・・」

牛乃灘、失格です。笹酔会の名誉を傷つける禁じ手で失格ですから、今後さらに厳しい処分も予想されるますが。

加賀美牛:イタダケマセンね、これは。牛乃灘関には一から笹酔会の精神に立ち返って、力士生命を賭ける・・・くらいのぉ・・・気持ちでがんばってもらいたいもんです。

中入り後、「まりりんBAR」での取組を終えました。

というわけで、今場所の星取り表です。

決まり手
西
 
笹 山
引き分け
鮑 櫻
 
 
水岡支配人
浴びせ倒し
兼見盛
 
 
安田杜氏
途中休場
末乃灘
 
 
笹山理事長
途中休場/失格
牛乃灘
 
途中休場
六東石
笹山関・安田杜氏関と鮑櫻、同体で引き分け
笹山関・安田杜氏関と兼見盛、飲み逃げで兼見盛の負け
笹山関・安田杜氏関と末乃灘、途中休場で末乃灘の負け
笹山関・安田杜氏関と牛乃灘、禁じ手「もろ手出し」で牛乃灘失格
(謹慎処分)
笹山関・安田杜氏関と六東石、「待った!」の連続で六東石の負け

午後7時から午前3時まで続いた8時間あまりの激闘でしたが、鮑櫻関の定評ある横綱相撲で笹山関と互角の勝負になりました。笹山関にとっては不本意な結果となったわけですが、たいへん飲みごたえのある取組の連続となりました。

さて。これで横綱・笹山関は、これまでの通算成績を、

【9戦7勝2分】

としました。それにしても、牛乃灘関の禁じ手が出て荒れた場所になったという感じですが、加賀美牛親方、今場所を総括していかがですか?

加賀美牛:あのぉ・・・筑前を代表する女流酒豪横綱の鮑櫻関が、笹山関の飲み口を見て賛嘆するくらいですから、やはり稽古を重ねた成果が発揮された場所と言えますね。鮑櫻関の健闘が大変光りました。素晴らしい互角の勝負でした。しかし、牛乃灘関の今回の一件は本当に残念です。やはり心の修行も・・・ええ・・・しっかりと行っていただきたいと思いますね。両横綱を見習っていただきたい。それと兼見盛関ですが・・・力士が引き揚げて以降もしっかりと「まりりんBAR」でたらふく飲んで部屋に帰ったようですが、そのぉ・・・女将さんから責められなかったのか、気になりますねぇ。

というわけで、今日の解説は加賀美牛親方でした、ありがとうございました。

加賀美牛:ごっつあんです。

また次回「笹酔会ダイジェスト」をお楽しみに。


九州焼酎探検隊TOP