2001.11.26 by 猛牛

■大衆的なヤツほどハイブロー、ぬぅあんでございます……。

あたしゃぁ〜、焼酎渡世の道に踏み行ったばかりの若輩者でございます。あれも飲みたい、これも飲みたいと、いぢ汚く各地の親分さんの焼酎に草鞋を脱がせていただいております。

とは申しましても、やたら高い焼酎を追いかけているわけでは、ございません。とかく値段が高けりゃハイブローぬぅあんて風説がまかり通っておりますが……、堅気の皆様方の足下を見ちゃいけませんやな。能書きが多けりゃ高尚、値段が高けりゃ有り難い、なぞという信仰は持ち合わせておりません。

あたしも焼酎渡世人の端くれ、ごくごく大衆的であるからこそハイブローなのだ、という逆説を、堅気の皆様方に申し上げての、諸国遍歴旅鞄。そんな日々を送らせていただいております。

■「不器用ですから……」な飲兵衛に、親切“ガマン”目盛。

寄る辺無き、浮世の旅ガラスコップ。三度笠の途中でお見知り置きいただきましたのが、この本坊組の大政・小政コンビ=『桜島』コップと『おはら』コップの両兄貴でございます。どちらも焼酎渡世、お湯割りコップの王道を征く形状、デザイン。コップ心に男が惚れる、いなせなお姿でございます。

特に申し上げますなら、『桜島』兄貴の、あのたくましい肉太なロゴがずっしりと刻まれましたお湯割りコップに、大衆的焼酎お湯割り飲侠道の“美学”を感じてしまうので、ございます。兄弟のカタメの杯は、ぜひこれでいただきたい……そう思うのでございます。

ところで、東映仁侠路線の映画を評しまして、“我慢劇”と申された方があるそうで……。耐えに耐え、忍びが難きを忍び、最後の最後に相手の不正に対して義侠の刃を放つ。このコップはまさに、その飲兵衛のガマン劇を演出する親切な目盛が特徴でございます。

ふつうの親分衆でしたら、単に「6:4」「5:5」という口上だけでございましょう。ところが両兄貴の目盛と申しましたら、“男が一枚上”、堅気の皆様方への義侠心あふれる仕様でございます。

●6:4=ごきげんライン
●5:5=ほろ酔いライン

素晴らしいじゃぁ、ございませんか。割合の数字に加えて、「ごきげん」にするか?「ほろ酔い」にするか、ぬぅあんてコップを手にするお悩みの衆に対する人情味がしみじみと伝わってくる……。実にわかりやすい仕様でございます。

しかしながら、「解っちゃいるけど、止められない」のも焼酎渡世。

最初は“姉さん”の目を気にして「ごきげん」で仁義を切っておりますが、だんだんと我慢も溜まってまいります。最後は「ほろ酔い」……。いや、一気に「2:8=泥酔い」で、トラの諸刃を振りかざしましての“だいやめドラマツルギー”、哀愁の大団円を迎えるお方もいらっしゃいましょう。

極めて大衆的、極めて庶民の心情とカタルシスが漂うグラスでございます。

俗とお思いの方は思っていただいて結構。しかしながら、それこそが焼酎という渡世で最も尊いもの、真の焼酎飲侠道ってぇものじゃぁ〜、ご・ざ・い・ま・せ・ん・でしょうかっ。

■飲んで貰います……本坊三兄弟、揃いの杯。

というわけで、長口舌も御退屈でございましょう。最後に、この度めでたく本坊組の三兄弟コップが揃いましたこと、御挨拶申し述べさせていただきます。

『おはら』『桜島』『屋久の島』、三兄貴貫禄の揃い踏み。「何の恨みもございませんが………飲んで貰います」、ぬぅあんて感じの、凄みの効いた艶姿でございます。

さて、馬鹿を承知の焼酎股旅、この街も追われるときが来たようでございます。わかっちゃいるんだ。でも、行かなきゃならねぇのが、焼酎渡世の道ってもんよ。

チャン、チャカ、チャンチャン・・・。ミ ミ ミ ミ ミ ミ ミミミ(*-)


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