|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ええ。世の中、何かにつけて、一言文句をつけなきゃ気が済まねぇってお方がいらっしゃるもんで・・・。昔は“小言幸兵衛”なんて名前を奉っていたもんですな。落語のネタにも「小言幸兵衛」、またの名を「搗屋幸兵衛」というものがございます。 まぁ、小言も小言で済んでおりますと、これもまた、可愛げのあるもんではございますが。中には小言では済まねぇで、“大言”に脹らんじまう方もいらっしゃるようでございますな。 こういうお方が酒席なんかに入ってるってぇと・・・座がすったもんだしちゃう。飲んで酔って、楽しみゃぁイイんだが、なにかと理屈っぽくなっちまいますな。「酒席に政(まつりごと)と信心の話は御法度」なんて言葉もありますが、どこ吹く風ってもんで・・・。 ◇ ◇ ◇ さて。江戸は麹町、長屋の外れに、一軒の焼酎専門居酒屋がございまして。夕方んなりますと、三々五々、そこらへんの職人やらが仕事を終えて、いっぺぇ引っかけに参ります。これから伺いますのは、その店によく顔を出す、“大言酎兵衛”と呼ばれる、あるご隠居のお話でございます・・・・。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
熊さんと八っあんが、なんだかんだ言いながらも、ええ〜、楽しく飲ってますってぇと。そこに現れましたのが、長屋のご隠居で、筑前屋牛兵衛。筑前生まれの江戸っ子でございます。昔っから筑前の麦焼酎ばっかり飲んでおりましたのが、最近の流行りってぇやつで、芋焼酎に目覚めたというお方でございます。別名「大言酎兵衛」。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
焼酎飲んでの浮世話といいますと、色恋沙汰の悩みだの、焼酎美女の噂だの、はたまた嬶ぁの悪口だのと、まぁ、相場が決まっておるもんでございます。しかしながら、このお方が入りますってぇと、ぬぅあんとも高所大局、気宇壮大な飲み屋政談に相成っちまう・・・。
升虚見に、人入れ屋からの派遣で日銭稼ぎに行っております熊さん。なまじ付け焼き刃の知識ってのがあるもんで、隠居に話を合わせました。が、これがいけなかった。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
居酒屋ん中で大騒ぎが続いている内に、いつんまにか、ギヤマンのコップに入っておりました氷も溶けてしまいまして、ええ、焼酎もぬるくなっております。
熊も八も、互ぇに矛先が向いてきたってんで、話を変えようと、新しい一杯を頼んでみることに致しました。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
お後がよろしいようでm(_ _)m |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|