2002.07.12 by 猛牛

うぅ〜。07070630に起床ラッパ。七夕の朝、上下張り付いた瞼の裏には天の川が。眠い。気分爽快にと、朝風呂。すやすやと就寝のSASANABAさんとけんじさんの間をぬって、大浴場へ。ひとり貸し切りで川面を眺める。緑が眩しいのだ。

さっぱりして部屋に戻ると、おろ(@_@;)。さっきは気づかなかったが、SASANABAさんとけんじさんが寝ている布団の周囲から、多量の五合瓶が繁殖・林立しておるではないか! 見ると、底に僅かながら飲み残しのある瓶が10本近くもある、ある。ある。

わては慌てて瓶をかき集めて、細心の注意を払って継ぎ足し始めた。トクトクトクトク・・・トクトクトクトク・・・。そこに寝ぼけ眼のけんじさんが顔を上げて、

けんじ「・・・牛さん・・・何やってんですかぁは?(──;」
猛牛「ん? もったいないやん? 川越さんが一生懸命造られたっちゃけん(@_@;)」
けんじ「・・・またぁ。いぢ汚いんだからぁは・・・(~Q~;)」
猛牛「モノには、魂が宿っちょるったい! 百鬼夜行図ちあるやん?鍋や釜のお化けが行列しちょるの。江戸時代までは日用雑貨にまで精霊が篭もっちょるちいうて、大切に使いよったらしいぃ。じゃけぇ、“もったいない”ち観念が育まれたったいねぇ〜。いまでは忘れられた美徳ちゅーヤツやなぁ〜。うんうん」

昨夜の宴会における諸先輩方の影響か、急に民俗づいたわて。屁理屈をコネながらも継ぎ足しする瓶と瓶の濃厚なKISSからじっと目を離さなかった、そんな復古の朝であった(自爆)

■気分は、“昌子さま ああ昌子さま 昌子さま”

というわけで、継ぎ足した瓶をトランクに詰め込んで次ぎに向かうは、一気に南へ。日南市は大堂津という港町にある蔵、古澤醸造合名会社さんへ堂々たる行軍を開始したっ。

古澤さんの焼酎は、昨年けんじさんからご寄贈(自分で買えよぉ(>_<))いただいた『手作り八重桜』で初体験。存じてはいたが、蔵探訪の願望が欲望となり羨望にまでグッと昇華したのは、横浜でのイベント『九州焼酎大選集』においてあさり隊員が撮影した古澤昌子さんの御尊顔を拝見してからである。

先月、けんじさんと電話で話したときに、

猛牛「いやぁ〜、あさりさんの写真にあった古澤さんですけんども、綺麗かですにゃ〜。そりゃぁ、ふつう言う美人とは違うて、なんち言うか、“とことん宮崎美女”ち言うか、なんや得も言われん魅力があるとですたいねぇ〜(しみじみ)」
けんじ「牛さん、実は妹の朋子さんも、これまた美人なんですよ。宮崎焼酎界でも美人姉妹で有名なんです。・・・こりゃ、宮崎に来ないとイケマセンよ、ほんと!(ニヤリ)」

◇   ◇   ◇

7月7日の午前10時頃。けんじさんにしっかりとノセられたわては、その古澤酒造さんの前に立っていた。古風な蔵の風情にしばし見とれる。

♪八幡生まれで 玄海育ち 飲みも荒いが 気も多い

“車夫馬丁の酒”をあおりつつ、飲み屋の壁に貼り付けられた酒ポスターの美人像に、実るはずもない吉岡夫人への想いをそっと重ねる富島松五郎・・・の心境なのねん。嗚呼、昌子様!と嘆きの男末代・無法牛。泣けるねぇ〜。

と、そげな感慨に浸ってるばやいではない。さっそく事務所で挨拶が交わされる。

■伝統ある蔵元ならではの、古色漂う内部をじっくりと拝見。

お出迎えいただいたのは、代表社員の古澤教雅氏。名刺交換の真っ最中であった。さっそく蔵の内部を案内していただけるという。

話戻って、先ほど『綾川荘』でまどろんでいた朝、NHKテレビを見ていると、ちょうど偶然にも宮崎焼酎の特集番組をやっていた。あのソムリエT氏が出演して当地の有名蔵を回るという内容だったが、その中に古澤さんも登場されていたのだった。

番組を見た直後なので、不思議な感じで蔵内を巡る。まるで番組をトレーシングしている気分。「おお! ここはさっきの番組で出たとこだ!(@_@;)」。も、ミーハーである。

左画像はお馴染みの三角棚、右は明治時代そのままの麹室。「もろぶた」が奧の壁に見える。教雅氏の話では、麹室の屋根から籾殻の入った袋が発見されたそうである。

籾殻は、つまり麹室の断熱・保温用に壁の木と木の間に詰められたとのこと。実際、麹室の壁の下に、こぼれ落ちた籾殻があった。次ぎに仕込みと貯蔵の蔵へと向かう。

甕がところ狭しと並ぶ。内部も蔵の歴史が匂い立つような古色蒼然たる風情だ。

教雅氏「とにかく天井や梁なんかも絶対に掃除するなって言われたもんです。・・・この甕ですが、作業のしやすさを考えると、ちょうどコレくらいの大きさと深さがいいです」

こちらでも仕込みは終わっていたため静かだったが、逆にじっくりと拝見できたのは幸いだった。

教雅氏「実は甕にも個性がありましてね。ひとつひとつ味わいに違いがあるんですよ」
前山先生「おお、そがんですたい。で、どれか社長のお気に入りの甕がお有りですか?」
教雅氏「ええ。蔵の角に置いている甕がありましてね。あれです」

指差す先にあったのが、蔵の右奧角に埋め込まれていた楕円形の甕。丸い甕が並ぶと角がデッドスペースになるので、面積に合わせて楕円に焼いているのだ。

ナンバーは32番。教雅氏は「角太郎」と愛称を木蓋に書き付けているほど、愛着がある甕だという。この角太郎さんのお腹には超長期貯蔵酒が眠っていたっ。

教雅氏「ま、ひとつ飲まれてみますか」
前山先生「・・・うむ。美味かばい、こりゃ。飲んでみんね?」
SASA「・・・・おお!」
けんじ「・・・・ふぅ・・・」
猛牛「・・・・美味か!」

各人の、寡黙でありながらも饒舌な感動の表現が続いたが、すかさず前山先生、

前山先生「これ、ひとつ一升瓶に詰めてくれんですか?」
教雅氏「ははは(^_^)」

というわけで、それから瓶詰めに使っているこれまた歴史ある土蔵とか、ボイラーなどを見学させていただいた。歳月の重みがずっしりと肌身に感じられたひとときでありました。

と、そこで教雅氏が、母屋の座敷でゆっくりされませんかと、お誘いいただいた。一旦道路に出て、蔵入口の隣にある母屋の玄関へと一同ぞろぞろと向かったのである。

が、しかし

ここまで来て、美人姉妹の誉れ高き御息女らの姿が見えぬ、見えぬのである。ああ、我が君は何処に有りや?(引っ張るねぇ〜(爆))


座敷へと向かふ