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問答無用の惹句である。まさに、これ以上に“造り手の魂を感じる”一言があるであらふか。うまい・・・これしかない。 漢文風の古典的なものや英文など、様々な趣向が凝らされた販促お湯割りコップたちではある。しかしその中でも、この『明月』お湯割りコップに見る惹句の、妥協を知らぬ透徹ぶりには、ほんに刮目の限りだ。どれだけレトリックを駆使したところで、「うまい」の一発に敵うものは無い。 “巧言令色鮮なし仁”。逆に、素朴で飾りのない言葉の方が、グラスへの視線をぐっと惹きつけることだってあると、わてはこれを見て思ったのだった。 ◇ ◇ ◇ というところで、まずはグラス全体をじっくりとご覧いただこう。 グラス表面に載せられたのは、同社の主力銘柄である芋焼酎の『明月』、そして麦焼酎の『蘭』の2銘柄。丁寧に社名まで入っている。 |
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商品分野+商品名+社名という極めてオーソドックスなスタイルだが、これがまた素朴な味わいがあってイイところだ。
まだまだ“地域産品”というニュアンスをたたえたデザインなのが、うれしい。 余談やけど。陶器の世界だと、対外的な視線を意識しだした窯は、どーもミョーに小シャレたデザイン志向に“成り下がる”ことがある。 わては、そういうのは好きじゃない。暮らしに密着した生活雑器から、急に賞狙いの“お芸術作品”へと変身したりして、こっちの興味はグッと引き潮になってまう。 しかし、このコップは、そげな成り下がり根性なんぞぶっ飛ばすくらいに日常性が濃厚、プンプンである。 目盛にしても、シンプルの極致だ。 |
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さて。『明月』は宮崎県えびの市にある「明石酒造」さんの代表銘柄である。で、この稿をまとめようと思ってHPを覗いてみた。そうしたらウェブ・デザイン自体が、やはりこのコップの“志”そのまんまであった。 これで、これでいいのだっ、・・・という感じ。なにも冗談で言っているのではなく、飾り気の無さがほんに気に入ってしまったのだっ。グラスにしろHPにしろ、構えのない企業精神がいきいきと脈付いているのを、わては感じるんであります。 |
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「人々のこころが満月のようにまあるく明るく円満に、そして平和に との願いが込められています。宮崎えびの高原は、透きとおる青空と 火口湖と赤松ススキのコントラストが美しい高原。その赤松にかかる満月を表しています」 と、同社HPで紹介されている商標をまとったミニペットにしてもそうで、まるで能舞台の背景を見ているような、凛とした風情だ。 まぁ、銘柄の中には『めいげつモンローちゃん』や『a〜E(ええからいい)』といった超芸術的“作品”もある。しかし、ぬぅあんと言っても、本道『明月』の素朴路線はぜひとも堅持していただきたいと、切に願うのである。 |
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