【長月・六】
Making of Black MANNEN 3

2003.09.17 by 猛牛


収穫された原料芋「黄金千貫」は集められ、二次仕込みに使うために加工されます。ここではその流れをご覧ください。

渡邊専務「畑でコンテナに入れられた芋は、フレコンに移し変えるんです。フレコンってでっかい袋なんですが、このフレコン一袋に約500kgの芋が入ります」

大きなフレコンの中に穫れたての芋がいっぱい詰まっています。

さて。500kgという重さのフレコンをつり上げているようですが・・・。上から見るとけっこう高いですねぇ。

渡邊専務「うちでは芋を洗う前に一度、原料芋を蔵の上に持ち上げ溜める作業があります。芋を溜めるところは傾斜がついていて底に開閉式の蓋があります。蓋を開けるごとに斜め下にある芋洗い機の中に少しづつ芋が落ちて行くんですね」
クレーンを操作しているのは、渡邊専務。横から見てもその高さが解ります。

蔵元の多くがそうですが、原料はまず蔵いちばん高い所に運び、加工から仕込みの段階でだんだんと下に降りていきます。

いま、フレコンの底を開いて、原料芋が貯留槽に移し替えられました。こうやってみると凄い量です。

この槽から次の工程である「芋洗い機」へと芋が流れていきます。

下がその「芋洗い機」。回転するドラムの中に水が噴射され、芋が中を転がる間に付着した土を洗い流します。この機械で実際にどのように洗浄されているのでしょうか?
渡邊専務「この機械の中は、人がやっと1人入れるぐらいのスペースしかないんっすよ。・・・動いているところを撮りたいですか? 狭いので稼動中の撮影というのは難しいんです。

ちょっと解りにくいんですが、ここ(上画像)が「投入口」です。中央からやや右上にある弁が開いて芋が滑り落ちてきます。

そしてドラムの中を通り洗われてキレイになった芋が出てきます」

この「芋洗い機」を操作しているのは叔父の木脇英人さん(下右画像)。作業が始まってしばらくすると、土をきれいさっぱり洗い流された原料芋が流れてきました。この芋、「黄金千貫」という名前の通り、こがね色をしていますね。
ベルトコンベアに載って、芋は次の工程へと向かいます。次は、芋の両側のヘタや傷んだ分部を切り落とす「芋切り」です。
ベルトに載って流れてきた芋は、いま芋切り場に立っている二代目の一男さんの左側から出てきます。

今日、芋切りの作業をしているのは一男さんに、渡邊専務のお母さんの真利子さん。

二人とも手早く芋を見分け、不要な部分を切り落としていきます。長年の経験があればゆえの早技でしょうか。

一日に処理される芋の量はどれくらいでしょう? 渡邊専務に伺ってみました。

渡邊専務「そうですねぇ。芋の個数ですが、日によって大きい芋もあれば小さい芋もあるので難しいですが。

まあ、だいたい中くらいの芋一個の重さが500gくらいでしょうから、そうすると約4000個でしょうか」

4000個を二人で処理したとしても、ひとり2000個。たいへんな作業であることに変わりはありません。女性はもちろん、男性でも辛い仕事です。

渡邊真利子さん「嫁いだばかりのころは、果たしてやっていけるだろうか?とちょっと不安でしたね。今の様な設備もありませんでしたし、人手も足りなかったので、幸一朗を背中におぶって、とにかく必死に働きました。

今はその頃に比べてだいぶ作業自体は楽になりましたけど。でも、芋を処理する量がかなり増えて、長い時間立っていたりするので足や腰への負担はあまり変わっていません。私もずいぶん年もとりましたしね」

切られた芋は、次に「芋蒸し機」に運ばれます。芋をしっかりと芯まで、発酵しやすいように十分蒸します。

右上画像は「芋蒸し機」の入口の部分。ベルトで運ばれた芋が、いままさに蒸し機の中に落ちようとしているところです。

ほら、「芋蒸し機」の中に、原料芋がたくさん入っていますね。中に溜まった芋は、約60分、この機械の中で蒸されます。

渡邊専務「蒸し時間ですが、今ぐらいの気温だと約1時間です。始めに下まで蒸気が吹き抜けるまでの間、強い蒸気で40分間蒸します。蒸気が吹き抜けたら弱い蒸気で20分蒸します。また、もっと寒くなってくると吹き抜けまでの時間やその後の蒸し時間も5分〜10分くらい長くなりますね。つまり、トータルで1時間ぐらいですが、その日の気候や気温に合わせて長くなったり短くなったりします」

蒸された芋を見てみましょう。熱が通ったせいか、皮にちょっと紅が差しています。蒸したては熱いのでちょっと冷ましたものです。だから湯気が立っていません。

焼酎の原料芋ですが、食べてみるとどんな味なんでしょう? ちょっと気になりますね。

渡邊専務「これがけっこう美味いんっすよ。よく朝ごはんがこいつになります。美味しいのでOKです(^_^)v」

こうやって蒸された芋は粉砕され、「二次仕込み」に使われます。次は芋を一次仕込みのもろみに掛ける現場と「二次もろみ」の発酵の経過を見てみましょう。


萬年歳時記TOP  次へ