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■南国の駄菓子が、非常にウマイんである。
小学校の頃、イヤったらしい授業の後の息抜きと言えば、学校の校門の近くなどにあった駄菓子屋でのひとときであったですにゃ〜。そういう店は大概が、婆さまが店番をやっていてその婆さまの人柄ちゅーのが、店への寄り付きの大きな指標になっていたように思ふ。 まぁ、わてや幼なじみの悪ガキ相手では、婆さまの客応対も悪くなるのは致し方ないが、いま記憶に残っているのは“因業”と定冠詞を贈呈したいタイプの方々だったことは確かである。まぁ、そういう婆さまからまるで宝物をいただくように買っていたのが、原色ブリブリの駄菓子群やったです。 紐を引っ張ってデカいのを当てるイチゴ飴。プラの筒に入った色とりどりの粘度の高いゼリーもどき。醤油がギトギトに効いた鼈甲揚げやスルメの下足などなど・・・。 懐かしいなぁ〜、ほんと。ええ年こいた現在、特にゼリーもどきなんぞを目の前に出されたら昔のように食えるかどうか、正味な話心許ない。ま、スルメの下足などはプラの円筒に入ったヤツを未だにスーパーなんかで買ってるけど。好きなんよねぇ、あげなのが。 ま、こういうB・C級グルメや古典スナックについては、わてが管理する他のコーナーでやっているのだけど、今回は産地との絡みでこちらでご紹介を。 |
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●『雀の学校・雀の卵』 鹿児島市柳町にある『大阪屋製菓』さんから発売されている『雀の学校・雀の卵』という作品。 これは「雀の学校」という大テーマに沿って商品化がされているようで、そのシリーズのひとつ。中に落花生が入っている代表的な駄菓子アイテムである。 筑前では同系統のものが、もう少し海苔が多くて、ひばりかうずらの卵として売っていた記憶がある。 濃く甘い醤油味が、マストな味。焼酎のアテにもピッタリだ。ウマイっすよ。これは。 |
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●『南国・珍々豆』 同じく『大阪屋製菓』さんの作品。「雀の学校シリーズ」と表記された“卵”の姉妹品。 珍々豆については、筑前を始め各地のメーカーで作られているが、「南国」としっかり産地のレーゾンデートルが明記されているのがイイ。 鹿児島ではわてと同年代の諸氏には懐かしく、また現在の若年層にもしっかりと愛用されていると聞く。 5袋連続包装で頂部をフックに掛ける穴あき仕様は、駄菓子屋から量販店という販売接点の変化に適応するための進化の痕跡が認められる。 |
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■雀ちゃんの意匠を、じっくりと鑑賞してみる。
さて、パッケージで特に目を引くのが、雀のお宿ならぬ「雀の小学校」の生徒たちの行状を描いた絵巻部分。わてにはまるで鳥羽僧正画と伝えられる名品『鳥獣戯画』と二重写しになって見えた。 |
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意匠は雀ちゃんたちが、学校の体育の授業、または運動会(?)の競技をこなす姿が可愛い線画・ベタ網伏せで表現されている。展開されている競技は水泳、ハードル、縄跳び、リレー、玉運び(というのかなぁ〜)などなど。
中には、リレー中に石につまづいて転んだりハードルに引っかかって倒れる雀ちゃんの姿もあって、かつて運動会のリレーで足が絡まってズッコケたわて自身のトラウマを激しく再燃させる意匠も散見される(──; とまあ、個人的な話はともかく、愛らしい雀ちゃんの意匠はぬぅあんとも郷愁と哀愁を感じさせてくれて、駄菓子としてのポジションに極めて合致しておるのだ。 |
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もう一つ、意匠の面白さでは、左に掲げた大阪屋製菓さんの社章と思しき蛙マーク。蛙に柳と来れば、小野道風。柳の枝に飛びつく蛙を見て、その努力に得心して | |||||||||||||||||
後に三蹟と呼ばれるほどの能書家になったというエピソードがある。これは同社の企業努力の精神、社の心を表すものなのであらふ。
■ブツそのものに、グッと寄ってみる。 というわけで、次に中身そのものへと接近する。レンズを近づけると醤油や唐辛子などの甘辛い香りがプゥ〜〜〜〜ンとファインダー越しに漂ってきた。 |
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『雀の卵』のアップ。エエ色つやと香り。食指が思わず飛び出す香ばしさ。醤油と海苔のマッチングがマスト。 | ![]() |
『珍々豆』のアップ。一味唐辛子の適度な辛さが焼酎の量をグングンと増加させる。 | |||||||||||||||
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上記に両作品の中身を盛りつけたアソートメント全景画像を掲げてみた。老若男女を超越して、大衆的焼酎善男善女にピッタリのおつまみとして、まさに王道的美しさ&旨さであるとわては称揚する次第であ〜〜る。
SE)ガリガリガリ・・・ポリポリッ・・・。ガリ・・・ポリッ・・・。 じゃがばってん。残念ながら、検索したところ大阪屋製菓さんの公式HPは無いようで、当該作品の詳しい由緒・縁起は不分明であった。しかし、それがまた駄菓子らしくて良かところかも知れまっせんなぁ〜。 ちゅーことで、焼酎にピッタリ合う南国・薩摩の地駄菓子の一席、でしたぁ〜。 |
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■増補(2006.02.04)
焼酎ブームの余波で、焼酎と他の食材や加工食品と合体させて新たな商品開発が活発となっている。他のコーナーでもご紹介したことがあるばってん、今度は鹿児島のある協力者の方から大阪屋製菓さんの新作らしき製品をご送付いただいた。 題して「焼酎そら豆」である。 |
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あの殻付きの、脂ぎったそら豆を、殻のまま奥歯ですり潰すのが大好きなわてであるが、これは砂糖がたっぷりとまぶされた、一見ぬぅあんともスィートな仕様である。
一括表示の中に、しっかりと芋焼酎の文字が見える。植物油で揚げた後に砂糖をまぶすわけだけども、いったいどの段階で焼酎が入るのだろう? これは芋焼酎の塩でもそうなんだけど、気になるところである。 |
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・・・とこれを書きながら、ボリボリ!ガリガリ!と一気に喰ってしまった。甘辛両刀イケルわてであるので、内容量65g、あっという間である。
芋焼酎の効用は、甘さのみならず、複雑な風味の広がりを感じるところに見て取れる感じ。豆そのものも旨いのだが、実は、袋の底に溜まった砂糖がぬぅあんとも風味が浸みてイケル。主役の豆はすでに食い尽くしてしまったので、いま指を舐め舐め底の砂糖を奈落から救出している最中なのだ。ちゅぱっ! 駄菓子の王道を征く大阪屋製菓さんであるが、『雀の学校』シリーズと並んで、甘党焼酎ファン必携のおやつ登場!という感あり、の作品と言えよふ。 |
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