2005.01.17 by 猛牛

いま、千葉県の名産『くじらのたれ』と八丈島の焼酎『黒潮』をじぶりと飲りながら、これを認めている。

私は焼酎のサイトを立ち上げる以前から、日本の伝統的な食文化である鯨肉食にはひとかたならぬ愛情を注いできた。

http://beefheart.sakura.ne.jp/kujira/kujiratop.html

http://beefheart.sakura.ne.jp/kujirafood/kujirafood.html

http://beefheart.sakura.ne.jp/maruko/maruko.html

かつて日水の捕鯨基地があって隆盛を極めた北九州市出身のため、物心ついた時から鯨肉と生活が切っても切れなかった。食卓から消え果て無くなってみて分かる伝統食文化のありがたさが年毎にずっしと浸みたのであり、そして何よりも“それが旨かったから”そうさせるのだ………。

◇  ◇  ◇

・・・という“力み”を分かってくださっているある方が、昨年この『くじらのたれ』と『黒潮』を送ってくださった。以下、まぁ、みなさんっ読んでやってください。

調査捕鯨の部分的再開によって、最近でも市場に出回るようになった鯨肉。しかし以前からネット上でよく聞くことのあった『くじらのたれ』はさすがに食べたことがない。というわけで、同梱されていた八丈島の焼酎『黒潮』と共に頂戴してみた。

さて、八丈島については『焼酎盆地』SASANABAさん詳細な訪問記をアップされている。わてが牛足を付け加えることはなにもない。ご参照いただきたい。

■いや、うんまいっす! たれ&黒潮。

『くじらのたれ』・・・どんなものかと思ったが、一言でいえば“くじらのジャーキー”、乾燥肉なのだ。もともとジャーキーは好きなので、ごくっ!と喉が鳴る。

箱に貼り付けられた一括表示には「醤油、味醂酒、食塩、調味料」とある。

袋から取り出し、嗅ぐ。

ぷぅーーーーーーーん、鼻孔に伝わってきた醤油の甘辛い香り。わては、駄菓子屋に売っていたイカ下足の醤油ダレのかかったスルメを思い出した。好きなのよねぇ〜、ああいう臭いが。いいなぁ〜。

口に含むと、ああ! 鯨の味がシュワッ!と広がる。ああ、タマラン!

ん、うんまい!」

と、思わずわては叫んじまった。これだ、これだ、これなのよ!

生まれ在所が鯨の水揚げ港だったため、鮮度の高い(とは言っても冷凍か塩蔵だが)鯨肉を喰う環境にあったため、保存法としてジャーキー系を食べる機会はまったくと言っていいほどなかった。やはり地域それぞれの食べ方、活かし方があって、面白い。

■八丈島の“麦芋混和”『黒潮』を飲む

肴を含んだところで、おもむろに一杯。

ん、うんまい!」

って書いちまうと、芸が無いか? いや、ホントにうんまいんです、これは。しっかりと落ちついた飲み口、ほのかな甘味が広がるとです。滑らか、練れている。麦90%芋10%の混和・・・混和と書くと、甲乙混和みたいなイメージで宜しくない感じですばってん・・・から来る風味がいい案配で舌の上で転がるって雰囲気。

恥ずかしながら、八丈島の焼酎を今回初めていただきましたばってん、こんなにいい味とは思いませなんだわ。ついつい杯ば重ねて、飲み過ぎちまった(^_^;)

それにしても、SASANABAさんも言及されちょりますばってん、ボトルに書かれた“I Love Rock'n Roll”。蔵元さんは趣味でバンドマンもされちょるそうな。

思えばこのフレーズと同じタイトルの曲がありまして。

The Arrowsってバンドで、リーダーがヘレン・メリルの息子でアラン・メリル。彼は、1972年頃、この焼酎の幸ふポンニチでも活躍していておりましてね。その後、エゲレスに渡って70年代の半ばにThe Arrowsとして出したのが、『I Love Rock'n Roll』という。当時、爆発的には売れなかったんですけど、今聴いてもこのバンドとこの曲、いいんですにゃ〜。

わての個人的な思い入れですばってん、“I Love Rock'n Roll”という箱書きになにか惹かれるものがありましたぁ。

八丈島の焼酎ち言やぁ、筑前でもまったくと言っていいほど置いていない。この『黒潮』、確かに派手でもないし、どちらかというと野暮ったいかもしれない。んでも、いい味を出している。超メジャーになることも、またその必要もない。でも愛する者はしっかりと愛しちょる・・・なにかThe Arrowsと二重になるものを覚えるとです。

■鯨と焼酎と・・・

・・・とまた“力み”に戻って。

鯨肉食という食文化と、本格焼酎という酒文化。どちらも、日本では古くからの伝統と歴史を誇るものだ。ところが、いまでは大きな外洋の荒波に揉まれている。

例えば鯨。わてが昨年夏に映画館で観た海洋実写映画『Deep Blue』(2003年英独)という作品がある。ご覧になった方もあるかも知れない。

さて、下記はわてがあるネットコミュニティーで書いた映画の印象記。

女房が観たいというので昨日映画館で鑑賞した作品。未知なる海の世界を7年の歳月を掛けて撮影した労作。海鳥が水中を泳いでイワシを獲ったり、ペンギンがジェット機の様に海中を駆け抜けて氷に飛び乗ったり、動く深海魚など驚きのシーンの連続で映像的には素晴らしい。しかし、途中赤ちゃん鯨を襲うシャチの群のシーンで、イヤな予感がした。4尾ほどのシャチが鯨の赤ちゃんを襲って食べるのだが、「シャチは鯨のアゴと舌しか食べない」というナレーションが入ったとたんにわてが咄嗟に連想したのは、捕鯨国として反捕鯨国と対峙している日本とノルウェーのことだ。「無益な殺生」としてこのシーンで欧米の観客は絶対に日本を連想したと思う。鯨肉大好きで日本の伝統文化保存という立場からも捕鯨再開を願うわて自身がそう察したが、考えすぎ?(爆)。そのイヤな予感は最後に証明される。「かつて30万頭いたシロナガス鯨は、現在その1%しかいない。我々は現在も海を破壊している」ちゅーよーなナレーションで締めくくられるのだ。結論としてナレーションの裏で何をいい何をプロパガンダしたいかが馬脚を現した。だいたいが、乱獲し鯨の油しか利用せず他はすべて海中に投棄するという海の恵みに対して失礼極まりないことをしていたのは、欧米自身だった。ナレーション一つで映像がどうにもでもなるというのは、ゲッペルスの宣伝映画でもそう。いまサッカーの反日問題が話題となっているが、こういう反日情緒的プロパガンダ映画もある、ということは知っていても損はない。映像は素晴らしい、2つのナレーション以外は。

イラク戦争のことを想うと、英国(または米国)から鯨でエラソに言われることは無いと怒りたくもなる。経済的利益に敵対する人間の命の値打ちは、鯨以下なのだろう。

そーゆーことは本格焼酎の世界も同様にあって、海洋投棄が御法度となって小さな蔵でさえ莫大な借金をしてプラントを入れざるを得なくしたりする。入れられないと蔵を閉じなければならない。肥料として畑に撒くのもイケマセンちゅーのだから、開いた口が塞がらない。つまり、中小いじめだと言ってしまえば、身も蓋もないか。

これら、日本の伝統的食文化の問題に関して、愛国憂国の志士の方々にもぜひぜひ怒りの声を挙げて欲しいと願っているのだが、なぜか聴かれることはない。なんでだろう。「鯨食文化、返還! 焼酎の伝統を守れ!」なんて、叫ぶ方がいらっしゃったらと想ったりもするが。

◇  ◇  ◇

というわけで。まったく支離滅裂な内容となってしまったが、千葉の鯨加工食品と八丈島の焼酎を飲んでいたら、なにかしら故・人生幸朗先生のよーになってしもうた。


責任者、出てこぉい!(-"-)


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