第5話 2001.12.07 by 猛牛

■球磨焼酎の神髄へ!SASANABA師絶賛の『球磨の泉』に突入す!
10:05。
あのSASANABA師が、球磨焼酎の王道とも神髄とも大絶賛されている『球磨の泉』の那須酒造場さん前に、車が到着した。

隊長、けんじ隊員、わては、当然の事ながら最初から那須さんに伺うつもりであった。『球磨の泉』をはずしたら、それこそ飛車角落ちってもんですばいねぇ〜。

ところで、昨夜のセミナーで試飲ブースに立たれていた那須酒造場の御曹司那須雄介氏を見つけたわが女性隊員らが、突然大騒ぎをはじめてしまったのである。

かき隊員「う〜ん。かっこいいぃぃ!」
あさり隊員「・・・・・(□□;)
あげまき隊員「お!いいねぇ〜。とっても、カワイイじゃないぃ!」
かき隊員「そうそう!ジャニーズ系よ!!」

いい気なもんである(-ー;。「焼酎ジャニーズ系なら、ここにもおるちゅーに!(-"-)」と男性陣3人でブツクサ言っていたのだが、女性陣もぜひ那須さんに行きたいと相成ったわけだ。

ということで、ちょうど蒸留中であった那須酒造場さんにお邪魔した。王道という言葉からわてがイメージしていた感じとは違い、道路沿いにあるこじんまりとした蔵元さんである。

しかしながら御子息と同様、お父上の那須富雄氏や奥様も美形派。かつては美男美女カップルとして球磨で知られたのではないだろうか。

まさに“ヴィジュアル系蔵元”である! とても絵になる御家族だ。

■壮烈にして甘美! 常圧初留の驚異的味わいに大激震! 
お忙しい中を割いて、御家族3人で蔵の中をじっくりとご案内いただいた。

富雄氏はどちらかというと実直な感じ、奥様は実にテキパキと製造工程をお話しされる。やはり、こういう所は夫唱婦随というものか。

それにしても、あの『球磨の泉』の骨太な味わいが実直かつ繊細そうな富雄氏から醸されているのだ。強靭な芯がどこかに一本、貫かれているのであろう。

それを物語ったのが、ほとばしり出たばかりの初留であった!

富雄氏「初留ですよ。ちょっと飲んでみませんか? 70度あります」

さっそく隊長が一口。「ほぉ!!!・・・・これは甘い!」。次にわてもいただく。

嗅ぐと、セメダイン臭はほとんどと言っていいほど、無い。口に含むとカッーーー!という70度の豪快な風が一旦吹き荒れるが、後口とてつもない甘さがグワン!と拡がるのだ!

隊長ともども、なぜこんなに甘いのだ?!と感心することしきり。この深みと甘味、驚いた!旨い! 甘美だ!!

ふと蔵の隅を見ると、リニューアル成ったばかりの41度『原酒』が箱詰めの真っ最中であった。このボトルデザインは関西向けの出荷品だという。

さっそく事務所でお話を伺う。

■41度の原酒で驚愕の良心的価格! 誠実な企業姿勢に大感動!!
猛牛「それにしても、初留、すごく甘くて、旨いですね。セメダイン臭がほとんどしない」
隊長「そうそう。僕も感動したよ」
富雄氏「よくあの甘さが解りましたね。なぜ甘いのか、セメダイン臭が薄いのかというと、麹の問題なんですよ。」
隊長「ほぉ〜。それはどういう?」
富雄氏「つまり麹の出来がいいと、セメダイン臭が薄くなるです。」
隊長「なるほど・・・」
そうなのだ。寿福さんの初留でも同様だったが、70度の強烈な刺激は当然ながらあるにしても、セメダイン臭が弱く、後味の甘さがビッグバンのように膨張してきたのには、そんな理由があったのだ。とにかく『球磨の泉』の初留、後味の分厚い甘さはまさに超弩級の迫力!

◇   ◇   ◇

というわけで、探検隊の合評用に41度の『原酒』を購入する。実は『あおやぎのあ』さんから36度ヴァージョンの『原酒』を合評用に御提供願った。

しかしながら、その商品は終売となった。そこで仁義上、同店の山岸氏から購入したかったのだが、まだこの時点で地元酒販店にさえ出回っていない出来立てホヤホヤ状態だったのである(T_T)。山岸さん、申し訳ない、お許しあれm(_ _)m。

試飲のツマミとして出していただいた美味い漬物(事務所内でも販売・女性陣も購入)200円也と一緒に、代金を払おうと値段を伺う。雄介氏がレジに立って、なにやら電卓で計算されている。雄介氏曰く、

えーと、
原酒が1700円です

「はあ?!!!!!!(@_@;)。なしてそげん安いとな!!」と隊員一同が驚愕したのは当然であろう。720mlで41度、しかも丁寧に造られた常圧の原酒なのだ! いやぁ〜、驚いた!驚いた! どこぞの甲乙混和の某酒なんて、同容量25度で1300円近い値段だったりするのだ。どうしてここまで良心的なのだ?、と大感動!

猛牛「驚きましたばい! そんなに安くて、いいんですか?(^_^;)」
富雄氏「いえいえ。焼酎は日常酒ですから。手軽なお値段で永く飲んでいただきたいんですよ。不必要に高くする理由がありませんし」
けんじ隊員「常圧のこれだけの旨味を出して、この値段とは・・・(嘆息)」
富雄氏「こういう値段ですと、逆に安いから中身もそういう風に見られるかもしれないって危惧もあってですねぇ・・・。難しいところです」
猛牛「けんじさん、わてらがそげん安い安い言いよったら、わてらが帰った後、社長が『2000円にすっか!』なんて気が変わるかもしれん(爆)」
一同「ははははは!」

けんじ隊員「ところで那須さんのところは、常圧・減圧、両方されてますよね」
富雄氏「はい。本当は常圧一本で行きたいところなんですよ。でも、地元ではどうしても減圧の方が好まれる状況です。飲み方が昔と変わったというか、ねぇ・・・。焼酎本来の味を楽しむには、やっぱり常圧が一番なんですけどね・・・。」
猛牛「でも最近は常圧、減圧ちゅー違いが解るユーザーが増えてきましたけんねぇ」
富雄氏「そうなんです。だから常圧本来の味わいを楽しむ方が増えることを期待していますね」

猛牛(けんじ隊員の肩に手を置いて)こういう小ウルサイ飲兵衛が増えたですけんねぇ〜。造られる方も大変でしょぉ〜(爆)」
一同(けんじ隊員除く)ははははは!(核爆)」
けんじ隊員「小ウルサイって・・・(-ー;」

さてさて、けんじ隊員を肴にしてしまったが、もちろん他意はない。「極楽の仇を泉で討つ」なんて根性じゃぁ、ござんせんばい(爆)。

◇   ◇   ◇

それにしても、那須富雄氏の誠意をビンビンに感じる話である。蔵元がエンドユーザーに対してそういうお気持ちで焼酎を造り世に送り出す、その先に・・・軽々と誠意を踏みにじる有象無象が跳梁跋扈しておるんが現実である。

もちろん流通のみならず、ユーザー“済度”も大きな課題と言えよう。高ければアリガタイ(だろう)ぬぅあんて“飲祠邪教”にとって、この『球磨の泉』41度原酒を飲めば、破邪顕正の一撃となることは必至なのだ。

というわけで、常圧の馥郁たるふぁうんてん、『球磨の泉』さんで王道をたどった後は、同行六人、蔵元めぐり最後となる“極楽”での往生へと旅立った。

なんまんだぶ なんまんだぶ・・・。


第6話へつづく

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