2005.03.29 by 車牛次郎

さてさて。御用とお急ぎ出ない方は、さぁ、お立ち会い!

ここに取りい出しましたるは、あの『兼八』! 豊後麦焼酎の中でも、常圧蒸留人気、香ばしい麦麦の先鞭を付けたっ、四ッ谷酒造さんの法被であります!

はいっ〜〜〜! じっくりと見てくださいよっ! ねっ。

おっと、そこのお客さん、そのグリッドから入っちゃいけないよ。

この法被、一見新しい、新品に見える!

が、しかしだ。聞いて驚いちゃ、イケマセン、イタダケマセン、ときたもんだ。

実は何を隠そう、あの『兼八』命名の元となった四ッ谷酒造初代、四ッ谷兼八っあんが着用遊ばされていた、法被だ! これが!

なに? そこのオジサン、疑ってんね? 疑いの眼で見てる。何事も素直さが肝心よと来たもんだっ。粋なネェチャン、立ち飲み『兼八』。この法被の色艶、じっくりと見ておくんなさいよっ! そんじょそこらじゃ手に入らないシロモノだ。
四ッ谷酒造さんが酒造免許を取得されたのが、大正は8年、西暦で申しますと1919年だ。

国際連盟が出来たこの年にっ、四ッ谷兼八っあんは、豊後は宇佐の港町、長洲漁港で焼酎屋を始めた。

水揚げされた貝や魚を、よいこらしょっ!と売り歩いていたそーだが、行商先でクイッ!と飲んだ焼酎の味が忘れられねぇ、と焼酎稼業に踏み込んだのが、事の始まり。

いっとう最初のハナタレが出たときに、兼八っあんが着ていたのが、これ、この法被だっ!

どーだい? そこの兄ちゃん、買っていかねぇかい? ねっ、これ着りや、通りを歩くお姉さん方から「きゃっ!『兼八』の法被、着てるわ! イケテルゥ〜」ってモテること間違いなし!! さあ、まずは1万円からでどうだい? 持ってけドロボー!!

何だい?そこの大きいニイチャン? ん? なんか焼酎にやけに詳しそうな・・ナニナニ?

「あのぉ・・・けんじ、ですけどもぉ・・・『兼八』が製品化されたのは・・・そのぉ・・平成に入ってからですから・・・初代兼八さんがこれを着ていた・・・としたら・・・あのぉ・・・時代考証的に・・・・・・・・・」

(法被を御寄贈いただいた六石師に心より感謝申し上げます)


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