2003.07.16 by 堤水蘭先生 編集 牛心亭酔狂

『酔の会』会員の皆様に作句の指針として、堤水蘭先生がこれまで詠まれた句を集大成しましてご覧に興じることと致しました。

詠まれた時期は2002年4月から2003年6月までの間。これらの句は、水蘭先生の元来の活動の場である『水の会』において、各選者により選句されたものです。

会員各位におかれましては、水蘭先生の句を味読いただき、精進に励んでいただければと思うちょります。

事務局 牛心亭酔狂


軒下の藻の水槽に春の雷
  
真白なるビルの模型や夏隣
  
春昼の影重なりし雑貨店
  
休日のパン教室や蔦若葉
  
照れくさきこと文字にして麦の秋
  
萍の深さを知らず風まかせ
  
いぬふぐり透明傘に降りし雨
  
鈴蘭や遠く軟式庭球部
  
校庭に響くアカペラ夏木立
  
桜桃やニス塗りたての喫茶店
  
濁音をきくもけだるき大暑かな
  
軽雷の過ぎるを待ちしカプチーノ
  
ももの香やなにかいいことありそうな
  
開け放つ大玄関や夏薊
  
花火待つ母の自慢のごま豆腐
  
父の頬照らす線香花火かな
  
桃の花祖母の変はらぬ讃岐弁
  
春光に小さき魚迷いけり
  
裏庭に静けき春の微熱かな
  
食卓の同じ話題や花曇
  
ただ長くつながれし貨車菜種梅雨
  
故郷は駅の小さき町なりし
  
陽花のふくらみ淡し祖母の家

九州焼酎探検隊TOP