『酔の会』2003年8月の句会 選句一覧
投句者
水蘭
酔乱
乱風
酔すー
乱幸
酊乱
草舟
兼酔
酔狂
合計
草舟 見上げれば葉越しの空に蝉時雨                   -
照り返すブナの葉裏にコガネムシ                   
1
這いあがるお化け屋敷の蔦の葉よ                  
3
乱風 新東京 国際空港 千葉にある                  
1
揺れる葉に 風の道知る 島の午後                  
5
葉の陰で おっぱいねだる 仔ヤギかな                  
1
酔すー 朝の蜘蛛殺さずに葉にのせて出る                  
1
柔肌の熱さ葉で秘し句詠む君                  
2
「前を向け!」我を叱るか葉を負う蟻                  
1
乱幸 万緑の葉の木漏れ日がここち好し                   -
芋の葉を集めて遊ぶ子供かな                  
1
幹ティーのご縁にあやかり「妻」贈る                  
1
酔乱 暑中なり申す葉書の墨暑し                  
2
歓声も波に消されし葉山沖                   -
江ノ電の窓に映れし銀杏の葉                  
3
兼酔 朝顔の葉蔓ばかりなる宴の朝                  
1
日入り映えに葉陰で酔ひんひくらしのこえ                  
-
酊乱 あしたばの苦さ引き立つ島の酎(さけ)                   -
山椒の葉叩いて弾ける夏の香                  
5
夕立を浴びて喜ぶ向日葵の葉                   -
酔狂 これやこのペギー葉山の悩ましさ                   -
初盆や葉を揺らし啼く蝉時雨                  
3
焼酎を葉も無き木々の如く飲む                  
4
■堤 水蘭先生・御講評
ネット句会、初回が無事終わりました。みなさんおつかれさまでした。
今回、初めて俳句を詠んだという方も少なくなかったかと思います。

一通り終えた私の感想は、
みなさんとても個性的で、句の題材の幅の広さにも驚かされました。
俳句は身近なところから作れるものですので、
あまり気どらず、自由な句を心がけて、
日々の暮らしの中で感じたこと、発見したことなどを詠んでみましょうね。

選定の件ですが、特選1句と秀句2句を選んでおります。
一番良いと思ったのが特選で、
特選に選ばれなかった惜しい句が秀句という表記です。
選出方法は、作者を見る前に選んでますので、平等に選出しております。

気になる昇格の件ですが、今回は初回ということで、昇格は「なし」にいたします。
次回からはちゃーんとつけますので、よろしくお願いします!

最後にこの句会の立上げに多大なるご努力を頂戴した
牛心亭酔狂さんに感謝の意を表します。今後ともよろしくお願いします。
■堤 水蘭先生が選んだ!-----今月の正統派『誉められ組』
特選句 : 山椒の葉叩いて弾ける夏の香     酊乱

秀 句 : 初盆や葉を揺らし啼く蝉時雨
     酔狂
秀 句 : 這いあがるお化け屋敷の蔦の葉よ
  草舟
■事務局が選んだ(@_@;)-----今月の異端派『勝手に句じって!』
堤 水蘭先生の許可をいただきまして、事務局で選句する枠を設けさせていただきました。題して「勝手に句じって!」

『酔の会』異端派路線を邁進される句を評価しようということで、不肖・牛心亭酔狂が選句させていただきます。水蘭先生の選句の基準とは違う観点から、隠れた迷作にスポットライトを当てるものです。

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新東京 国際空港 千葉にある        乱風

世界の玄関口として在る巨大な空港をありのままに詠みながらも、ターミナルの裏側に潜む現代の空虚感、廃墟的感覚が伝わってくる異端派の王道的作品。

幹ティーのご縁にあやかり「妻」贈る    乱幸

一読、何のことかさっぱり理解不能な内容で、一般論を極限まで突き詰めたが故に抽象性を孕んだ乱風さんの作品の対極に位置する、局所的楽屋ネタ句。しかしながら、焼酎句会としては極めて主旨に沿っており、謎解きをする楽しみもある。

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