2001.10.29 by 猛牛

神々しい栓である。

あえて説明するまでもないが、これはあの、幻の中の幻、垂涎の中の垂涎、希少の中の希少、こだわりの中のこだわり、プレミアム焼酎の中のプレミアム焼酎と、巷で喧伝されている、あの『森伊蔵』の栓である。

これは決して、フツーの栓ではない。じっくり観察すると、並の焼酎のものとは発するオーラの量、重厚さが違うのである。やはり『森伊蔵』、栓ひとつにしてもただ者ではない焼酎と言えよう。

じっくり写真を御覧いただくとご納得いただけようが、光の反射が生み出す輝きの造形そのものが、まず並の焼酎とは一線を画している。

金属部分に見事に日輪が描き出されている。しかも輪の左にフレア(太陽表面の一部分が、数分に渡って急に輝きを増す現象)も発生しているのだ。並の焼酎の栓では、こういう人智を超えた神々の領域と申し上げて過言ではない状態は、招来され得ないのである。

まさに、古代よりの太陽信仰を想起させるが如き、美しさだ。

この栓を眼前に仰げば、地球上における焼酎飲んごろの営みなど、所詮お湯割りコップの中の嵐。取るに足らぬことだと、得心できよう。

次に、瓶に差し込まれる内部を鑑賞する。

半透明の合成樹脂部分の材質や、アルミであろうか頂部を覆う薄い金属製のカバーは、一見並の焼酎と同質のものと即断されよう。しかしながら、放たれる輝きの質に並の焼酎の栓とは雲泥の差が存在することを実感するのだ。

それがおのが網膜に映し出される時、幽玄なる観相が心中に描き出されるのを識るのである。実にこの栓、宗教的神秘体験を覚えさせる、焼酎秘儀参入への「門」と申し上げて過言ではあるまい。

◇   ◇   ◇

さらに、この栓を嗅ぎ、そして舐めてみる。

ん〜〜〜〜ん。針葉樹の香り。雨がざんざ降りの中洲の雑踏をオケラになってびしょ濡れでうずくまっている牛・・・のような味。

ちなみにこの品、先日中洲の某焼酎バーにお邪魔した帰りに、酔客が浮遊する沿道・側溝蓋上にて光輝を放っているところを奇しくも発見し、丁寧に保護したもの。その出会いに『貴種流離譚』は文明化した現在でも生きていたのだと実感した。

永く路上にて流浪されたものと推察されたが、もったいなくも拙宅に御鎮座願った次第。ゆえに、前述の香り・味についてはまったく保証はできぬ。

◇   ◇   ◇

それにしても、この栓を某ネットオークションに出したいと切に、切に願っているのだ。呪物信仰、別名フェティシズムという観点からすれば、中身のみならず、栓、瓶、ラベルだけにしても多大な信仰的価値を有するのは明かである。

さて、何万円になるのであろうか・・・いや贅沢は言わぬ・・・八千円でもm(_ _)mと、算盤を弾いている昨今である。


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