2001.12.19 by 猛牛

■大衆文化としての「焼酎ファッション」探究の必要性。

酒類一般、中でも服飾的美学としての焼酎ファッションの探究は、斯界においてまだまだ未開拓の分野である。

ところで、焼酎バ〜なる場所でプレミアム焼酎をウンチクを傾けながら飲んだ“ふり”をする、などというのは焼酎ファッションというよりも強いて言えば“焼酎ファッショ”と称すべきものであって、そげなものにわてはまったく関心が湧かない。

本稿のテーマは、ファッションのもうひとつの語義である“流行”と言う“walk on ice”的な事物ではなく、服装としての“焼酎ファッション”なのである。

文字どおり衣装・服飾における「焼酎ファッション」の研究は、端緒に付いたばかり・・・というレベルでさえもなく、現在まったく研究対象の埒外にある。飲用器具としてのお湯割りグラスについてはこれまでも収集を続けているわけであるが、失われゆく民俗資料としての焼酎ファッションの探究も、今こそ極めて必要だと考えている。

「飲用文化としての焼酎を極めるには、服飾文化としての焼酎をも極めねば、真の大衆文化としての焼酎の全体像は解明できない」と常々考えていたわてであったが、ひょんなことからその端緒を提示できる“ブツ”を入手することができた。

というわけで、今回ご紹介するのは、あの国分酒造協業組合さんの名作『いも麹芋』の前垂れである。これはある方より当探検隊にありがたくももったいなくも持ち込まれたもの。その方は偶然によりこの作品を某筋から手に入れて、さらにわて宛にわざわざご送付いただいた。

まさに研究への多大なるご貢献に、感謝m(_ _)m


■「芋」カリグラフィーの美が、服飾にも冴える逸品!
とにかく、『いも麹芋』前垂れの美をじっくりと鑑賞していただこう。

伝統的な前垂れとは素材が明らかに違い、モダンテイスト溢れる仕様である。さすがに時代の感覚を反映はしている。

しかしながら、「芋」のカリグラフィーが圧倒的な民俗的情念を噴出させているのが、凄いのだ。

何度見ても素晴らしい「芋」だ。

着心地だが、かつて酒屋で前垂れして製鉄所のおやぢ連中に甲類焼酎を注いだ高校時代のアルバイトの経験から比較すると、軽くゴワゴワせず、とてもライトでスポーティな着こなしが出来るところがマスト。

それは、生地が伝統的前垂れとは違うのがその大きな差の源泉である。が、素材が持つ上質感と合わせて、カリグラフィーや朱印風あしらいの端正さは、ご家庭やアウトドアでのカジュアル飲用シーンのみならず、冠婚葬祭や焼酎バーなどのフォーマルな席でも通用するクォリティだ。

素晴らしく、かつ美しいシルエットの逸品前垂れ。ぜひとも焼酎愛飲諸兄にお勧めしたい焼酎服飾アイテムである。

■微妙な位置にある「芋」が、密かな都市伝説化に?!

さて、当コーナーは器を語るはずなのに、なぜ“前垂れ”なのか? と疑問に思われた諸兄も多々あろう。

実はこの前垂れに大書きされた「芋」の字。この文字の位置が「ぬぅあんとも微妙」だと研究家諸氏の間で現代版フォークロア、つまり“都市伝説”化しているとの情報をキャッチしたのだ。

例えば、この前垂れを見た各人が「う・・・僕は里芋かな(>_<)」とか「まぁ、俺は馬鈴薯くらいは・・・(^_^;)」とか「黄金千貫はカタイね(^_^)v」などなどと、ぬぅあんとも大衆的な比較民俗学的巷説が飛び交っている、というのである。

たしかに“芋”を世間の荒波から保護するという意味において、つまり身体を包み保護する“布製の器”と位置付けも可能である。が故に、今回このコーナーでご紹介した次第。

◇   ◇   ◇

さて、巷説に従えば、わては?・・・・・・・山芋かな(おぃおぃ)


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