夕日にシルエットで浮かび上がる平戸大橋と平戸瀬戸
2002.09.21 by 猛牛

■焼酎を忘れて、ふたり旅に出る・・・。
I got ramblin' I got rambln' on my mind.
I got ramblin' I got rambln' on my mind.
Hate to leave my baby but you treats me so unkind.

(Robert Johnson「RAMBLING ON MY MIND」1936)

「ねぇ? 粕取と結婚したら?(-"-)」と家人は言った。4週連続、怒濤の“粕取らんぶりん・おん・まい・まいんど”、つまり粕取調査行のために、my babyとの関係は極度に悪化していたのだった。まさに“粕取離婚”寸前である。

baby。俺には粕取を発掘する使命が待っているんだ。旅に行かせてくれm(_ _)m」。崇高なる理念実現のためとはいえ、両手をつくところがぬぅあんとも情けない。しかし、さすがに「こりゃ、ちょいと穴埋めばせんと、ヤバイな・・・(^_^;)」。事態は切迫していた。

次週は、my babyとふたりで、のんびり旅に出ようと心に決めた。焼酎は抜き、だ。

9月14日午後1時、my babyが運転する車が筑前を出発。三瀬峠を越えて佐賀市内へと向かう。行くアテは決めていない。ただ西に向かおうというだけ。風の吹くまま気の向くままのHOBO旅である。ガイドブックを見ながら、道を探す。

武雄あたりでどっちに行こうか迷う。北か南か?

南に行けば長崎。しかしもう何度か同地には出向いている。新味がない。わては「まだ北の方には行ったこと無いけん、行ってみん?」と提案してみる。なにも邪心はない。

道すがら酒屋が目に付くと、「車、止めなくていいの?」とmy babyが気を遣ってくれる。いや、今回は焼酎は抜きである。そのまま店はやり過ごして、ずっと車は直進だ。

「平戸に行ってみん? まだ行ったことないし」。そうわてが提案すると、ドライバー役のmy babyが少し渋った。平戸島はやはり遠いのだ。しかし“なぜか”行ってみたいと思った。有田まで戻って伊万里へと歩を進める、平戸への北向きルートを取った。

しかし平戸から筑前への日帰りはキツイ。急遽、宿を探す。

◇   ◇   ◇

が、3連休、宿などあるはずはない。何軒か電話して、やっと見つかったのが、平戸島の北端にある『旅館・田の浦温泉』である。

主人「はい。一部屋でしたら空いてますが?」
猛牛「宿泊料は一泊いくらですかい?」
主人「10000円から15000円です」
猛牛「・・・10000円でお願いします!」
主人「いまどちらですか?」
猛牛「はい。伊万里市内ですけど」
主人「でしたら、暗くなる前にぜひ当館にお越し下さい。暗くなると道が判らなくなりますから。ではお越しをお待ちしております」

暗くなったら、道がわからなくなる・・・・。一体どういう場所にあるのだろう? 一抹の不安がよぎったが、とにかくそこで一泊するしかない。my babyに運転の負担はかけられないのである。

夕方、平戸口に到着。闇が迫っている。早く宿に行かねばと、道を急ぐ。

それにしても、平戸大橋と平戸瀬戸の景色は美しい。狭い瀬戸を大小の船が行き交う。しばし橋の手前にある展望台で見とれていた。

たまには焼酎抜きの純粋な旅はいいもんだな、なんて思っていたが、しかし、極めて偶然だったが、ガイドブックの平戸紹介の一角に粕取焼酎『ひらど』福田酒造さんが掲載されていたのを、わての網膜が捉えていた・・・(^_^;)。

■やっとこさ到着した、“大人の隠れ里”田の浦温泉。

伊万里から2時間後、旅館に到着した。旅館の主人が言っていたのは本当だった。

平戸市内から北に車を進めたが、奧へ奧へと行けどもそれらしい場所が見あたらない。宿は現実に存在するのだろうか?と不安になるほど、曲がりくねった山の細道を進む。離合など不可能な斜面の道を最後まで下ったら、海岸が見えてきた。

その道の行き止まりに『旅館・田の浦温泉』があった。“隠れ里”といったほうがピッタリくる場所である。風景は正面に広がる入り江だけだ。

ここはかつて空海が遣唐使船に乗って船出した場所だという。空海と言えば杖で地面をつついたら水が出たという伝説が付き物だが、この温泉もそうだと碑に記されていた。

さて、この旅館だが、造りは昭和の宿という感じで、昔のムードである。

風呂やトイレなどは現在の新しい旅館やホテルの仕様ではない。男は気にしないが、女性だとちょっと敬遠するだろうな。正直、10000円は高いなと思ったのだ。

温泉も鉄分が多いのだろうか、錆びたような味と香りがするものだった。ま、野宿するよりはいいかと腹をくくったんである。

■驚愕美味!の料理群に納得。絶品だった「かしわ飯」。

温泉に入った後は、お待ちかねの料理である。これで料理が悪かったら金返せだよな、ぬぅあんてmy babyとぶつぶつ言っていた。しかし、それは杞憂に終わったのだった。

めちゃ旨!だったのである。

いやぁ〜、実にいい味を出していた。平戸近海産の海鮮刺身平目の唐揚げ、そして極めつけは平戸牛の霜降り牛刺し、ほんに絶品だったのだ、これが! 他の小鉢類なども秀逸な味付けだ。さっきまで不平ばかり言っていたのが、すべてぶっ飛んでしまった。

そしてさらに驚愕の美味だったのがご飯である。

最後の〆は、白飯に漬け物で茶漬けでもと思って、お櫃の蓋を開けたら、かしわ飯だった。

珍しいなと思って、すぐさま一口。ん!!! 料理はどれもが美味しかったが、このかしわ飯はその美味度の衝撃が一段とスゴイ。感心した、マジに。my babyも感動している。

筑前ではかしわ飯の色は濃いが、これは薄い色ながら滋味溢れる味と香りが、本当に素晴らしい。これだけでも食べる価値はある。

というわけで、晩酌に福田酒造さんの『じゃがたらお春』を飲んで、いい気分になった。運転で疲れたmy babyも、そして横でただのんびりしていたわても眠〜〜〜くなってきた。

いよいよ明日は平戸島を南下して、志々伎という港町へ向かう・・・というわてのもくろみに着手する(-.-)y-゜゜゜。スヤスヤと眠っているmy babyはそれを知らない(苦笑)。

わての目的は、20年前の資料にあった同社の粕取銘柄『涼風』の有無の確認である。もちろんぶらり旅、アポ無しだ。観光蔵として年中無休で公開しているというから、行けばなんとかなるだろう。ただ見学して帰るだけでも充分だし。ま、『涼風』があればなぁ・・・。

さて、明日に備えて消灯。ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ

田の浦から、海を眺める

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