円相とは、これまたいい形である。

釉薬を掛けない底の部分が、墨痕鮮やかな円相図がネガディブに反転したように、わてには見えてきた。「明鏡止水」なんて公案もあるが、そんな心境を表してるような。

この◎の形態。見ての通り、ドーナツの穴の部分にも火が通るようになっているのが、最大の特長。

事の真偽は定かではないが、円相が表す大悟の境地とはほど遠く、中に注いだ焼酎が一刻も速く、そして満遍なく温まるようにと、せっかちな飲兵衛の哀切極まる欲望から生まれたと聞く。

カタチに、素朴ではあるが洗練を見る。勢いのある『文蔵』『球磨焼酎』の文字もいい。存在感がある。

というわけで、必要は発明の母。このフォルムをひねり出した飲兵衛たちの想いに、せっかちガブ飲み派のわてとしてはたまらなく共感を覚えるん。

なんとなく憎めないんだなぁ〜、これって。

(2002.10.17 by 猛牛)

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