2000.10.27 by 猛牛

茨城県・・・常陸の國は、信州と並ぶもうひとつの蕎麦の里である。金砂郷田楽で有名な金砂郷村産の蕎麦粉は、高価な値段で取り引きされている。

さて、水戸市内に店を構える創作蕎麦料理『幸月庵』は、県外でも有名な蕎麦料理店だ。わては1997年の春、茨城県ご在住で探検隊隊員でもあるJAZZ翁と実際にお会いするため水戸を訪れた際に、同店にご案内していただいた。そして、その“どわらけねぇ”(川筋言葉で「とんでもない、凄い」)味に感動したのだった。

実は、今回の第2回関東合評会の打ち合わせにおいて、翁より「『幸月庵』で蕎麦と本格焼酎がマッチするかどうか、実験してみないか?」とのご提案を受けた。

「そういやぁ〜、いつだったか、某洋酒メーカーが“和食&ウィスキー”なんてキャンペーンをやりよったですにゃ〜。ま、飲用機会の提案とすれば、元が不味いだけにどうやったもんか?(爆)」

などとヨタを飛ばしながら、あの『幸月庵』の、口に含んだとたんに「ぷぅ〜〜ん」と広がる蕎麦の香りを思いだして、もう辛抱たまらんごたなったのである。

というわけで、関東レポートの第2弾は、10月22日お昼に行われた『幸月庵』における「蕎麦&本格焼酎」という酒と食の共演をお届けします。


■真のこだわりがある店。

俗に「こだわりの」という定冠詞を付けるところは数多あれど、蕎麦に関して言えば、この『幸月庵』、トップであろう。

なにせ、ここの店主でいらっしゃる広瀬 喬氏は、粉の挽き方から違うのである。挽いた粉の大きさ、形状を顕微鏡で確認して、季節それぞれの気候・温度の差に合わせた粒の大きさで蕎麦を打つのである。

3年前の初訪問の時は、実際に蕎麦粉の顕微鏡写真を納めたファイルを見せていただきながら、懇切丁寧にご説明いただいた広瀬氏。しかし今回は、2回目だったせいか、それとも常連のJAZZ翁が同席されたためか、言葉少なであった。

しかし、蕎麦の味そのものが、雄弁に広瀬氏の思想を語っているのである。とにかく美味い!としか言いようがない。


■相方は筑後の焼酎『クレイン』。

今回の実験、相方は合評会でもご紹介した比翼鶴酒造さんの米焼酎『クレイン・鶴ものがたり』である。

『クレイン』は、合評会でも女性に人気のあった透明感のある味わいが特徴。蕎麦の香りを殺さないで、しかも焼酎そのものの味も楽しめるであろう同品に相方を努めてもらった。

合評のページにもあるとおり、ロックで飲む。(車の運転があるため、翁は飲めず。ごめんなさい(^_^;))

まずは、味噌に蕎麦粉を練り込み、杓文字の片方に塗って焼いた『蕎麦味噌』

もともと味噌は酒の肴になるのだが、これがまた蕎麦の香りと相まって、香ばしくてたまらん(爆)。『クレイン』の相性もぴったり

次は同店の名品中の名品とも言うべき、『蕎麦寿司』

断面を見ると、蕎麦の一本一本がぴったりと1mm角の正方形になっているのがわかる。さすがに、凄いじょ。

そして味も抜群。これを思いっきり食べたいというお客さんがいるのがわかる。わても50個くらい一気に食べたいじょ(^_^;)。

蕎麦と海苔の絶妙な風味のブレンドを、『クレイン』が出しゃばらず、かと言って自己主張はしながら、引き立ててくれる。

さて、わてが前回最も感動したのが、この『板蕎麦』。言うなれば、蕎麦の刺身である。

これは蕎麦の香り・粘りがまさに口中にエントロピー状態となる、絶品。魚の刺身と同様にいただくのであるが、もう言葉には書けない旨さだ。

『クレイン』のロックを片手に、ちびちびと飲み、『板蕎麦』を口に含む、この至福。やはり蕎麦を本格焼酎で楽しむには、アルコールの刺激が強い麦、香りのある芋よりも、清楚な米が一押しと見た

これが『幸月庵』の蕎麦湯。ふつーのそば屋のものと比べて、まず見た目、白濁度が凄い。味も、まさに“まったり”という言葉がぴったりであった。

茨城のそば屋では、甲乙混和の焼酎を蕎麦湯で割って出すそうである。そこで『クレイン』を注いで味わったのだが、これがベスト・マッチング! 

極上の蕎麦湯と本格焼酎、その絶妙な味わいに、しばし極楽の猛牛であった(*^^*)


■「蕎麦&本格焼酎」、その結果・・・。

もともと本格焼酎は古来から伝わる“日本酒”なのだ。和食と合わない道理はない。そこがブラックバスの如き、外来種の酒とは違うところ。もともと生態系が違うのである。

さて、蕎麦の名品と本格焼酎のタッグマッチ、本質的に双方はマッチするなと感じた。しかしながら本格焼酎の場合は、原材料が持つ風味の問題がある。わての個人的判定では、ソフトな米焼酎をお勧めしたいと思うんであります。

もちろん味の好みは先差万別なので、ぜひ皆さんも蕎麦と各種の本格焼酎で、飲み食べ比べをしていただきたい。それもクォリティの高い蕎麦で。今回ご紹介していないメニューもあったのが、飲み食いに忙しくて撮影を忘れてしまっていた(^_^;)。

やっぱりお邪魔してよかった、常陸の國\(^0^)/。『幸月庵』と『クレイン』に至福のひとときを過ごした猛牛でありましたm(_ _)m。


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