2000.10.24 by 猛牛

■近ごろ 都に 流行るもの・・・。

昨日の話やったけんども、「偽ルイ・ヴィトンの実在しない携帯ストラップ」販売業者摘発のニュースが流れていた。ぬぅあんと、実際に同社が製造もしていない偽物ストラップがバカ売れと言う話なのである。

原価600円の偽ストラップが、2000数百円でほいほいと女性に売れているという。もちろん“偽物”ということは先刻承知、お遊び感覚で購入しているのだろう。商標侵害という刑事的問題はひとまず置いて、購入者サイドが納得の上なら、それもよかろうて。

たとえそれが実在しない製品であっても、“ルイ・ヴィトン”という記号に商品価値があるわけであって、製品の実質などどぉーーーでもいいこと。「ルイ・ヴィトンを持っているワ・タ・シ」を他者に認知してもらいたい、だからそれが偽物で馬鹿げた値段であっても満足なのだ。(ま、見てる方だって偽物か本物か、解かりゃーせんもんね(爆))

ただこのニュース、とても他人事とは思えなかったのだ。

というのは、先日当探検隊掲示板に「全日本焼酎普及振興個人」さんがカキコされていた下記の檄文がずーっと気になっていたからである。


『プレミアをつけてなぜ悪い』

投稿者:全日本焼酎普及振興個人 投稿日:2000/**/**(Fri) 11:42

またぞろ焼酎にプレミアをつけてネットでも販売しているサイトを発見しました。その名も「ニ●ニ●酒販」。ここは「村尾」が5,980円。他の焼酎はなかなかの品揃えなのだがなぜか「村尾」だけがプレミア。

そしてこの「△コ△コ酒販」がプロデュースして楽天市場へ出展しているのが「鬼ヶ●焼酎探検隊」(どっかで聞いたような名前ですが…)。ここではプレミア焼酎の代表、森伊蔵が19,900円。他にも富乃宝山は3,980円、き六(きろく)も3,980円。

そしてこのサイトには「森伊蔵.com」へのリンクが張ってある。この「森伊蔵.com」は「森伊蔵を出来るだけ安く、多くの方に飲んで頂きたいと考え」オープンしたらしい。しかも応募するだけで毎月1本、「森伊蔵」をプレゼントしてくれるらしい。

またオークションコーナーもあり9月の結果は11,100円が最高値。「酒屋リンク」というコーナーがあり、なぜかそこには「酒仙洞」さんも登場する。「森伊蔵を扱う酒屋」コーナーには「赤塚屋」さんも登場する。リンクの了解はとっているのだろうか?

またそこのリンクにある「酒のABC」もこれまたプレミア販売店。「山ねこ」が4,980円、「村尾」が6,980円、「森伊蔵」は抽選販売で9,800円。

「プレミアをつけて何が悪い。買えるなら文句言うな。」って感じですね。

「本格焼酎ってやっぱり本格だからこんなに高いんだね」
「てことは、2,000円もしない百合なんて、きっとまずいんだよ」
「そうだろうね」

賢明なる諸兄ならおわかりでしょう。だからプレミアはいらないんです。

 http://members.tripod.co.jp/TOMIUCHI/index.html


■“虚像”を飲まされる愚。

かつてウィスキーの世界では「ジョニ黒」をやたらありがたがっていた時代が日本にはあったが、いまでは“今昔物語”の世界である。それはウィスキーを飲むというより、「ジョニ黒」を購えるだけの経済力に対しての羨望や満足感を飲んでいたのだ、とわては思っておる。

消費量の減少に焦って酒税を下げたために、さらに“虚像が失墜”したウィスキーじゃが、それは「創作された高価さ」にも商品価値を見いだす人間の劣情を忘れた必然的結果じゃろうて。“剥き出しの安さ”に心底惚れ込んでいるわてには縁のない話じゃが(^_^;)

だが本格焼酎党としての憂鬱は、今度はその「羨望や満足感」を与え消費者の懐をむしり取る道具として希少な本格焼酎が格好の標的になっていることだ。『百年の孤独』が関東においては、お大尽の“コマシ酒”として活躍しているという話をいつか聞いたことがあるが、せいぜいウィスキーやワインでやっていてくれよ、と言いたくなるったいね(爆)。

上記の個人さんの文章では6980円となっている『村尾』だが、ここ筑前では12800円という勲章をぶら下げて鎮座している。虚像も極まれり、というところだろうか(『村尾』の味そのものとは関係ないので為念)。味そのものよりも虚像と値段が先走って、飲まれるのは消費者、という喜劇的悲劇が進行しているのら。

■「一般焼酎」を見直しましょうよ。

  「本格焼酎ってやっぱり本格だからこんなに高いんだね」
  「てことは、2,000円もしない百合なんて、きっとまずいんだよ」
  「そうだろうね」

という個人さんの一節がとても気に入っている。たとえば文中の『百合』を、あなたが大好きな“一般焼酎”という分類に置かれている非プレミアム系焼酎の銘柄に置き換えるとよかですたい。決して“安いから不味い”わけではないのだ。

量販店などの店頭に並んでいる一般焼酎だって、いっぱい美味いものはあるっちゃけどね。

高い値段を払ったら、是が非でもその商品やサービスには満足したいのが人情である。決して買ったプレミアム焼酎を不味いとは思いたくないし、人にも美味いと勧めることで自らの決断を正しかったと納得する、その消費者心理がプレミアム商売人のつけ目なのである。

甲類焼酎陣営が「乙類」という言葉をあえて使うイメージ操作については以前書いたが、今度は「本格焼酎」という言葉を逆用した販売サイドのイメージ操作が横行する懸念がないとは言えんったいねぇ、これが。

ま、一番の処方箋は、法外な値段の焼酎は買わないこと(爆)。

本格プレミアム焼酎ブーム。お役所、製造、流通、それぞれの思惑の中で、消費者がいちばん“苦い酒”を飲まされる立場になるということを十分認識する必要がある、と思うっちゃけど。

というわけで、「一般焼酎」の、どこが悪い!(-"-)


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