2000.10.21 by 猛牛
●焼酎的擬人名辞書



いい ちこ【井伊知虎】

豊後國(現大分県)出身。16世紀の戦国武将。「一本の矢は折れるが、束ねた三本の矢は折れない」という信念で家臣を結束させた勇将。当時豊後を二分していた弐階堂氏や群雄割拠する九州諸国の守護大名を平定、宿願の上洛を果たす。“下町の織田信長”と関東では民百姓に歓迎され名君と讃えられたが、本拠地・豊後をはじめ九州諸国では民心は離れ、薩摩・島津氏より領地を侵食される結果となった。また“茶人”として領国の文化振興にも尽力、様々な「器」を収集したことでも有名である。

かい いさみ【甲斐 伊佐美】
鹿児島県出身。政治家、価格自由党初代党首。地方の貧しい商家出身で、幼少の頃より家業に従事、地域住民の生活に貢献した。行商のため福岡県福岡市を訪れた際に、地元大手百貨店経営者と出会い、政界進出のきっかけを掴む。泥臭い風貌と朴訥でありながらも説得力のある演説が持ち味。井戸塀政治家の元祖的存在として、なぜか“高級人士”の間で人気を獲得した。選挙ではいつも上位当選しているが、古参党員の間では「彼も中央政界入りして、人が変わった」という声も出ている。

ほわいと・りかー【White Liquor】
イギリス出身。霊能力者。明治末期にスピリチュアリズム全盛のイギリスから来日、帰化した。“漂白の精神”への参入を掲げて、近代化に邁進する日本人に大きな影響を与えた。リカーは霊的に秀でた才能を持ち、どんな“霊”でも自分に憑依させてまうという特技の持ち主であった。記録では、特に梅やイチゴ、ライムなど植物系の精霊に取り付かれる事が多く、降霊会会場では甘ったるい香りが漂ったという。しかし、日常においては取り付くしまも無く、“無味無臭”な人柄であったと記録に残されている。あの快楽亭ブラックとも親交はあったというが、定かではない。

べにのや おとめ【紅家 乙女】
福岡県出身。女流浪曲家。戦後廃れていた浪曲のファン層を広げ、一部の好事家から大衆にまで拡大した斯界の功労者。トレードマークである胡麻をテーマにした健康感あふれる独特の語り口は、多くの愛好家を唸らせたが、一部には“ケレン味が効き過ぎ”との評価もあった。現在は郷里の福岡県で常設の劇場を持ち、訪れる熱心な中高年女性愛好家を前に、その紅涙を絞っている。

まおう【真 王】
鹿児島県出身。民間宗教家。名前はいかめしいが、人柄はいたって温厚。臭みもクセもなく、さらりとした性格が多くの信者に慕われている。“博愛主義”という普遍性ある教義で民衆の心をつかみ、着実に教線を拡大。しかし研究者の間では「これからの世界宗教家だ!」「いや、淫祠邪教の徒だ!」などと評価が入り乱れている。同様な教義を持つ多くの民間宗教家の総本山的存在となった。

むらお こうじ【村尾 麹】
鹿児島県出身。力士。入幕当初は成績は伸びなかったが、その手堅い職人技的な取り口で相撲ファンの人気を集め、番付表を急上昇した伝説の横綱。得意技「浴びせ倒し」は圧巻で、今でもファンの間では語り継がれている。横綱昇進後は枡席の価格も高騰、ファンをやきもきさせた。しかし部屋とトラブルを起こして力士廃業となり、その後はプロレスラーに転進した。

もり いぞう【杜 伊蔵】
鹿児島県出身。人間国宝。イリュージョンで一世を風靡した天才奇術師・タレント。カメの中に自らを封じ数年飲食せずに暮らすという、即身成仏的荒技で人気を集め、同種の奇術師を再認識させるきっかけとなった。スターダムに乗って以後、公演料はうなぎ登り、チケットはダフ屋も出る始末。しかし“公演を見た人がほとんどいない”という不思議な芸能人としても有名。実在する人物なのか?という疑問も呈されており、“存在自体がまさに幻想”という説もある。




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