『続・京生麩=ちくわぶ起源説』
1999/11/22
京料理の『萬長』さんより、
京生麩とちくわぶについての
貴重な情報が寄せられた。
さて、前回アップした『「ちくわぶ・種(ダネ)の起源」と「その製法」』において、京生麩との関係が取りざたされたのであるが・・・。その関係を探るべく、京料理の『萬長』さん(リンクは下記)にご協力をお願いして、京生麩におけるあの☆型の起源を探っていただいたのである。
そこでご回答をいただいたのがこれである。原文はここ。
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ご協力いただいた『萬長』の石谷氏、および『麩嘉』さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
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さて、形状的にちくわぶのあの☆型の原型と見られる「もみじ麩」という存在。そして生麩は京都特産で、しかも老舗の『麩嘉』さんが慶応年間の創業、という貴重な情報が寄せられた。
『紀文』さんの情報による、ちくわぶの明治期の登場という情報と照らし合わせると、とてもすんなりと収まる話・・・という事が言える。ただ石谷氏が書かれているとおり、“正確な答え”という確証は現時点ではない。
とはいえ私の憶測レベルでの仮説ではあるが、「明治維新またはその直後に、東京に『もみじ麩』がもたらされ、その形状をまねてちくわぶが誕生した」のではないか、ということが充分考えられるようになってきた。
さて今後問題となるのは、京生麩およびちくわぶが当時どの層に食べられていたのかである。なぜなら、おでんは庶民の食べ物であるから、である。
先の『「ちくわぶ・種(ダネ)の起源」と「その製法」』の最後に書いた、中川清編『明治東京下層生活誌』(岩波文庫)では中流から以下の層の食物として“煮込み”の文字が見られるが、残念ながらその中味がわからない。
他の資料については今後探索する予定である。